公開中の韓国映画です
私、三作とも観ましたけど全部オススメです
孤立無援の救出ミッションが始まる
ランサム 非公式作戦
INTRODUCTION
本作の主演を務めたのは韓国映画界を代表する名優ハ・ジョンウ。『チェイサー』や『白頭山大噴火』など、圧倒的な存在感で様々な役を演じきってきた彼が本作で挑むのは、囚われた人質を果敢に取り戻そうとする外交官。さらに、日本でも爆発的ヒットとなったTVドラマ「宮(クン)〜Love in Palace」で熱烈な人気を誇り、近年は『アシュラ』『神と共に』シリーズなどの作品で幅広い役柄を演じて活躍の幅を広げるチュ・ジフンが相手役を務め、打算的だがどこか憎めないタクシー運転手を好演した。監督を務めるのは、日本をはじめ世界各国でリメイクされた韓国映画の傑作『最後まで行く』で、韓国のアカデミー賞🄬とも名高い大鐘賞の監督賞に輝いたキム・ソンフン。ここに新たな韓国アクションの傑作が誕生した!
レバノン内戦下のベイルートで韓国人外交官が忽然と姿を消した。やがてそれが忘れ去られた頃、現任の外交官ミンジュン(ハ・ジョンウ)は、消えた外交官が人質として生きていることを告げる暗号をキャッチする。彼を救うため、身代金を手にレバノンに向かったミンジュンだが、現地に降り立つや否や大金を狙った武装組織に襲われピンチに陥ったところを、タクシー運転手として働く韓国人のパンス(チュ・ジフン)に救われる。金のためなら何でもするパンスを、韓国政府からの見返りをチラつかせて同行させることにしたミンジュン。奇妙な協力関係で結ばれた二人は、時にぶつかり、互いを認め合いながら戦火が吹き荒れるベイルートの街を突き進んでいくのだが…。果たして二人は捕らわれた外交官を無事に救うことができるのか?
アンニョン(^-^)ノ
いつも、読んでくださり、ありがとうさんです~
公開が始まった『ランサム 非公式作戦』を観てきました…
韓国での公開は『ボストン 1947』(2023年)の方が先なんですね。
そして時代的には『ソウルの春』(2023年)のあと、チョン・ドゥファン大統領の軍事独裁政権時代です(だからキム・ウンスさん演じるえらそうな安全企画部長が出てくる)。
何度も書いてますが、私個人は映画を観るまでできるだけ何も知らずに観たいタイプです。
でも、『憑依』(2023年)を観に行ったあとでブロともさんいとっぺさんとコメント欄でも語ったんですが、な~んも知らないで観て予想と違いすぎても呆気にとられすぎて困るという問題もあるんですね
『憑依』は怖いホラーに思えるけど、実際に観たらもっとコメディ&アクション色が強いファンタジー的な作品でほぼ怖くないんですわ。
もう、それは観たかた皆さんが語られてます。
それも確かにあると思いますので、うちのブログではネタバレはしないけど、少しどんな映画だったかを書いておこうと思います。
人質奪還にまつわる外交の映画ですので、私には難しく感じるところも少なくなかったです。
不安な方はせめてストーリーには目を通されて観た方がいいかもしれないですね。
この作品は1986年に発生した「レバノン韓国外交官拉致事件」をベースにした映画です。
1986年1月31日、レバノン駐在韓国大使館の一等書記官の方(当時44歳)が武装集団に拉致された事件で、日帝植民地から解放後 ―― つまり1945年以後 ―― 初めて韓国外交官が他国で拉致された事件だそうです。
つまり実話に基づく作品なんですが、この「基づく」という言い方も若干あやふやなところがあるので、事実をそのまま、何も変えずに映画にした、というわけではないんですね。
非常に評価の高い森達也監督の『福田村事件』(2023年)も専門家の方々にとっては「史実と異なる映画」として批判が生じるほどなので、実話ベースの作品をどう見るか、観客として判断も問われるわけです。
私自身は韓国映画に限らず、実話ベースの映画は、観てもそのまま全部を信じたりせず、必要があればまた調べることが多いですね。
いったい事実とどう違うのか興味もありますし。
さすがにどんな映画でも史実、事実から変更したり脚色したりしてるものなので、全部を信じて勉強になったなんて思いません。
で、『ランサム 非公式作戦』を観てたんですが、最初は状況の説明もあり、色々とシリアスに語られます。
そこ、ちょっと難しかったし、私が理解できたとは言えないんですけどね。
で、ご褒美にアメリカに赴任する夢を叶えようと外務部事務官イ・ミンジュン(ハ・ジョンウ)が単身、レバノンに入国していくわけですが、すごく緊迫感がありました。
非常に危険な任務であることがうかがい知れます。
で…はい、そうですね、ご存知の通り、ちゃっかり者のタクシー運転手キム・パンス(チュ・ジフン)と出会い、成り行きでタクシーに乗せてもらうんですが(どんな確率)、このパンスが…すっかりレバノンに馴染んで外国語にも長けてますが、来た理由もちゃんとしたもんではないし、何だったら平気で嘘をつく限りなく詐欺師的なヤツ
でもイ・ミンジュンは不安で不安でもう…どうしてもキム・パンスに頼ってしまうんですよね~
で、映画はそこらへんから、すっごくコメディになっていきますし、「これホンマか~」というような嘘くさい展開になだれ込んでいきます
わんこ軍団に襲われたり
私はモノを知らへん、歴史や政治にも疎いアホやと自覚してますが、さすがに…おいおいおいって気分になってったんですわ。
なんか話盛りすぎな、嘘を混ぜて語るホラ吹き武勇伝みたい
いや、ホント、実話が基とは思えないほど面白い(≧∇≦)
で、その信じられなさはあとに行くほど強まり
映画はさらにさらにもっと面白くなっていくわけです
も~、映画を観てる間中、そこはホンマに気になってました
ただ、映画としてはメチャクチャ面白いんですよ…
次から次へと危機と難題が迫ってきてそれをどうやってクリアしていくのかと、前のめりで楽しませてもらいました。
いや、ホント面白かった
ヒョンビンさんとファン・ジョンミンさんの『極限境界線 救出までの18日間』(2023年)がすごくシリアスで重苦しかったから、これくらいコメディ&アクションやってもいいと思いますね、うんうん。
だから、結論としては、この映画は確かに実際の外交官拉致事件をベースにして、多分そのあたりのポイントはいろいろ押さえてはると思うんですが、そっからエンタメ要素をガンガンいっぱい加えまくってこんなに面白い人質奪還バディムービーにしたと、そう思います。
追記:「まだ事実で明かされていないことが多いから、不明なところは映画として創作した」というのが本当のところのようです。
すっごくコメディ色が強いんですよね~。
あと、アクションも「え~、こんなことまでやるの」って感じで、退屈の間さえない危機と脱出の連続でした。
ただ、例えばハリウッドの実話ベースの映画だって同じくらい脚色を施しますからな~。
別にこの映画だけが大ボラ吹きなわけでもないと思います。
日本の時代劇や歴史モノだって、史実が残ってないところはメチャクチャ脚色しまくるわけでしょ。
だから映画としてはルールの範囲内ですよね。
ただ…実際に拉致された外交官の方がおられて、その方の実際のお写真を映画の中で再現したわけですので、ご本人、ご家族、関係者の方々はどう観られるかと思いますね。
もちろん、映画で不名誉を被ることがあってはならないんだけど…そのあたりは事前にご承諾いただけてると思いますけどね。
いや、イ・ミンジュンはともかく、キム・パンスのモデルになった方っておられるのだろうか
キム・パンスの描き方はだいぶ心配…
さらにまた、私ですら若干、ここ変じゃないかと疑問になる場面もありました。
実際、韓国のサイトで考証エラーが指摘されてます。
映画としては、かなりコミカルでアクションでサスペンスな実話もの系全部のせ映画ですが、その盛り合わせ具合はいかにも韓国映画でした。
実際、これまでのヒット作に重なるところもあります。
で…いいシーンがいっぱいあって…ホントにいい結末になっていきます。
私も泣いちゃいましたね~( ;∀;)
それで、先に観られたこまさんが早速レビューされてますので、ご紹介させていただきます
こまさんは登場人物についてなどもわかりやすく書かれておられますので、そのあたりスッキリ知っておくために観る前に読まれてもいいかも
是非、読んでくださいね。
こまさん、いつもありがとうございます☆⌒(*^-゜)v
実はハ・ジョンウさん演じるイ・ミンジュンって最初はぜんぜんかっこよくないんですよ~。
臆病だしそこまで現場慣れしてないし
でも、イ・ミンジュンには絶対的な目的があって、オ・ジェソク書記官(イム・ヒョングクさん)を連れて帰るってことです。
彼はそれだけは絶対に成し遂げようとします。
それは彼もオ・ジェソク書記官と同じく外交官だからでしょう。
この外交官たちの仲間意識がまた泣けたんですけど。
そして…任務の間に知り合い腐れ縁的に一緒にいることになったキム・パンスとの間に生まれていく絆が素晴らしい。
イ・ミンジュンの約束の果たし方に感動でした…。
韓国の人だからかハ・ジョンウさんの英語ってすごく上手く聞こえます。
だから外交官役がリアルでしたね。
「表舞台で光を浴びない人たちの必死の努力があった」という点が『ソウルの春』と似ているように思いました。
公式サイトさんに書いてある「ちゃっかり者のタクシー運転手」って言葉が好きでね~。
でも「ちゃっかり者」では可愛すぎる(;´∀`)
ムチャクチャしよるからね、キム・パンス。
でも、その場限りの嘘つきでいい加減で手癖の悪いキム・パンスがまたかっこよく見えるんですわ。
キム・パンスは長くレバノンで暮らしてきて語学に堪能だし、外国に馴染んでますしね。
とっさの判断もできる人だし。
レバノンでライラさんっちゅう恋人まで作っとるしね。
チュ・ジフンさんのこういう役、ええですなあ。
『憑依』のチョン博士と続けてかっこいい長身のキャラクターでした。
チュ・ジフンさんも外国語を喋っててかっこよかったですね。
で、『神と共に』の2作(2017年、2019年)がありましたけど、やっぱりね、チュ・ジフンさんとハ・ジョンウさんのバディがホンマにええですわ。
ただ二人が喋ってるだけでも面白いし、絵になるもん。
このキャスティングは成功ですよね~、鉄壁です
外務部のスリー・アミーゴス…左からユ・スンモクさん、キム・ジョンスさん、パク・ヒョックォンさん。
ユ・スンモクさんは事なかれ主義者の役でしたが、パク・ヒョックォンさんはかっこよかったです。
キム・ソンフン監督…ぺク・ユンシクさんとポン・テギュさんが主演した2006年の『愛情の欠乏が二人の男に及ぼす影響』という作品が初監督作だそうですが、次の2016年のイ・ソンギュンさん主演『最後まで行く』がやっぱり人気でしたよね。
あの映画はホントに面白かった。
そして3作目がハ・ジョンウさんが主演した『トンネル 闇に鎖された男』(2016年)…この作品もシネマート心斎橋さんで観たなあ…。
チョン・ソギョンさんが地面に落ちた目玉焼きを雨水で洗って食べてはった。
さらに2018年から2021年はドラマ『キングダム』をやってはったんですね。
『最後まで行く』のことを考えると、予算が少なめでもホントに面白い映画を作られる監督さんだと思うけど、作風としては「一難去ってまた一難」みたいな畳み掛けのサスペンスで、さらにその中に笑いも含めはるという、やっぱりその達人ですよね。
『非公式作戦』は韓国では大コケで、ホント気の毒なんですが、こんなに面白いんだし、また次、いい企画があるといいですね
『ソウルの春』、『ボストン 1947』、そして『非公式作戦』と、実話ものが続きましたなあ~。
実話ものは私はちょっと難しいかも。
劇場さんでパンフレットが880円(税込)が売ってましたが、今回は私、買いませんでした。
もっと映画の中身にも触れたいんやけどなあ~
でも、公開中の映画なので今は我慢します
映画としてはメチャクチャ面白いです。
先の読めないハラハラドキドキのサスペンスが続きつつ、やたらドタバタしたコミカルな場面と笑えるセリフがいっぱいで、後半は主人公二人のひと回り人間的覚醒があって最後はホンマ感動です。
ベン・アフレック監督の『アルゴ』(2012年)とかね…『極限境界線』もですし…あとリュ・スンワン監督の『モガディシュ 脱出までの14日間』(2021年)とか…そういう人質救出、国外脱出系のジャンルでこういう作品が出てきたのも幸せなことやと思いますわ。
いろいろ出揃ってホンマ。
特にカーチェイスの場面は凄く迫力なので是非、スクリーンで観てくださいね、オススメどす…
そんなんで今日もありがとうさんです…
アンニョン(^.^/)))
原題:비공식작전 非公式作戦
英題:Ransomed
2023年製作/133分/G/韓国
韓国封切:2023年8月2日
日本公開:2024年9月6日
配給:クロックワークス
Pd:リュ・ジョンフン、チョン・ピルモ
脚本:キム・ジョンヨン、ヨ・ミジョン
脚色:チョン・イジュン
監督・脚色:キム・ソンフン [第7作]
助監督:クォン・ヒチョル
撮影:キム・テソン
照明:キム・ギョンソク(L&S)
編集:キム・チャンジュ (STUDIO CORNERSTONE)
音楽:モーグ(MOWG)
美術:イ・フギョン
武術:ノ・ナムソク (ポンスタント)
出演
ハ・ジョンウ → イ・ミンジュン 外務部事務官
チュ・ジフン → キム・パンス タクシー運転手
イム・ヒョングク → オ・ジェソク 書記官
キム・ウンス → 安全企画部長
キム・ジョンス → チェ・ガンソク 外務部長官
パク・ヒョックォン → パク・スンホ課長 イ・ミンジュンの上司
ユ・スンモク → イ・サンオク 外務部次官
Burn Gorman → リチャード・カーター CIA出身中東専門家
Marcin Dorocinski → ヘイス・シャイト 美術商 オ・ジェソク書記官救出ブローカー
Fehd Benchemsi → カリム 民兵隊長
Karim Saidi → マヘル
Anas El Baz → ナジ 民兵隊長
Nisrine Adam → ライラ キム・パンスのガールフレンド
ハン・スヒョン → キム・ソンホ 行政官
特別出演
チェ・ジョンウ → 大統領秘書室長
チャン・ソヨン → オ・ジェソクの妻
※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。