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二代目はクリスチャン 1985年 脚本・原作:つかこうへい

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一昨日ですが、7日の夜のこの作品を観ました・・・カチンコ

 

 

 

 

 

てめえら!!十字を切って悔い改めやがれ。

でねぇと一人残らず叩っ斬るぜ!

 

 

 

 

 

二代目はクリスチャン

 



二代目はクリスチャン
The Second is a Christian


1985年製作/101分/日本

監督:井筒和幸
脚本・原作:つかこうへい
製作:角川春樹
プロデューサー:佐藤雅夫、斎藤一重、豊島泉、菅原比呂志
撮影:北坂清
美術:佐野義和
音楽:甲斐正人
主題歌:BIRDS 「二代目はクリスチャンのテーマ」
録音:平井清重
照明:安藤清人
編集:玉木濬夫
助監督:長岡篁司
スチール:遠藤功成
宣伝:大野浩

出演
志穂美悦子 - シスター今日子
岩城滉一 - 天竜晴彦
柄本明 - 神代
室田日出男 - 黒岩
かたせ梨乃 - 百合
蟹江敬三 - 磯村
山本亨 - 金造
高野嗣郎 - 徳二
松本竜介 - 次郎
清水昭博 - 吾助
堀弘一 - 森田
沼川 - 成瀬正孝
関時男 - 久保田
藤岡重慶 - 袴田
小柳みゆき - とみこ
月丘夢路 - マザー・ゴルガン
山村聰(特別出演) - 中津川勇吉
北大路欣也 - 英二

配給:東宝=角川春樹事務所

(映画.com)

Cast
Etsuko Shihomi - Kyoko, Sister
Koichi Iwaki - Haruhiko Tenryu
Akira Emoto - Detective Kumashiro
Rino Katase - Yuri, Haruhiko's lover
Shigeyoshi Fujioka - Hakamada
Keizo Kanie - Isomura
Kinya Kitaoji - Eiji
Ryusuke Matsumoto - Jiro
Noboru Mitani
Hideo Murota - Kuroiwa
Aoi Nakajima
Tadashi Naruse - Numakawa
Akihiro Shimizu - Gosuke
Yumeji Tsukioka - Mother Superior
Sô Yamamura - Nakatsugawa

 

 

アクション映画について調べてると、日本の映画界では、アクション女優として志穂美悦子さんが重要な存在のようですが、私は志穂美悦子さんの映画をまだ1本も観てません。

 

また、つかこうへい先生(1948年4月24日 - 2010年7月10日)の作品も、ほとんど知りませんが、いつかはその世界に触れたいと思っていましたし、興味があります。

 

最近、日本の映画をまた観なくなってきてたので、志穂美悦子さん、つかこうへい先生、二人の人物がたずさわった『二代目はクリスチャン』を観てみようと思いました。

 

監督は井筒和幸監督。

井筒監督の映画も私はホントに観てなくって・・・こんな形でブログをやってるのに『パッチギ』(2005年)も観てないんですよね。

でも最新監督作の『無頼』(2010年)にはとても惹かれるのもがありました。

 

 

『二代目はクリスチャン』は、教会に仕える清純なシスターが、ひょんなことからヤクザの二代目を襲名、抗争事件にまきこまれる姿を描く作品ですね。

 

始まった途端に神戸・六甲山の中腹にある聖サフラン教会には毎日・・・書いていいんでしょうかはてなマーク

いいんでしょう(^_^;)

任侠の皆様がお手伝いに日参しておられました、なんでやねんッビックリマーク

 

そして、天竜組の先代組長の息子さん、天竜晴彦と神戸署の刑事・神代の間で教会のシスター今日子を射止めようと恋のつばぜり合いが勃発していた。

ってだからなんでや~!!

 

 

なんの説明もなく突然な形で映画が始まるので限りなく困惑ですが、「これはコメディ映画なのだ」と思って観てると冷静さが保てます。

 

が、とにかく変なモノを観始めてしまったとゆう戸惑いは最後まで続きます。

 

 

映画のほとんどは、天竜晴彦と神戸署の刑事・神代の、シスター今日子と結婚したい作戦が延々ダラダラと続きます。

 

シスター今日子は敬虔なシスターで、どなたにもお優しい。

そして美人。

だから会う男、必ず心惹かれる。

 

対して天竜晴彦は任侠さんの息子さん、神代は刑事さん。

二人ともスレた世界に生きる男たちですが困ったことに今日子への愛は変わらない。

 

そんなんで晴彦は組の方々全員、洗礼を受けさせ、教会に通うことに。

子分たちも迷惑そうですがアホな映画なので何となく晴彦を立てて付き合っている。

 

そして神代は実は天台宗のお寺さんの息子さん。

いつかは住職にならないとダメなのかな。

 

晴彦と神代は幼馴染みですね。

 

 

実はシスター今日子は以前、怪我をした男性を教会に匿ったことがあり、その男性のことが忘れられないんですね。

だから本当は晴彦にも神代にも好かれて迷惑だと思うんですけど、基本、必ず人に優しい。

そして捨て子である今日子を母親のように育ててきたマザーも、今日子が結婚することを望んでいて、相手が見つかるか心配している(そりゃ結婚する気になりゃ相手はゴロゴロいるでしょうよあせる)。

 

そんなわけで今日子は晴彦や神代に誘われればデートに出かけてしまうわけです。

 

総じてシスター今日子は世間知らずでなすがまま過ぎるわけですね。

 

 

映画サイトに詳しいストーリーがありますので、うちの記事ではもう書きませんが、そんなわけで任侠の方々と刑事さんがシスターシスターとチヤホヤしまくるので女性を崇拝する映画なのかと思いきや、シスター今日子以外の女性キャラの扱いは酷いものですし、何よりもいろいろと大惨事。

 

笑いの面でも、非常にアダルトにエロいネタをブッ込んでくるので、呆れるとゆうか、イヤ~な気分になってきます。

時代が時代なんでしょうけど1985年、そりゃセクハラもパワハラもまかり通っていたんでしょう。

この時代に成長した人って今、しんどいんちゃいますか、自分を変えれなかったら。

 

あんまり下品な映画なので私はすぐにイヤになってきました。

 

またちょっとセリフが聞き取れないのよ、早口もあって。

だからDVDの字幕を出しました。

 

そして画像もなんか変な感じで、観てると目が疲れるのよ。

少なくとも美しいとは言えない。

 

そして演技もなあ~あせる

なんだか受け付けられないんですよ~。

せっかく昭和の映画を観たんだから、その時代の俳優さんたちの演技も楽しみたいんだけど、私とは合・わ・な・い。

 

総じて映画としてはダメなところばかり目に付く、イヤな感じの作品だと思いました、遠慮なく。

 

井筒監督は、日本を代表する映画監督の一人だと思うし、威張ってるイメージだから、凄い映画を作ってきたと思ってたんですが、この映画・・・いや~、ダメじゃないですか!!と思ったんですよね~汗

 

 

私は晴彦と神代、どっちもシスター今日子と結婚できなければいいなあ、と思ってました。

二人とも結婚できればあとはどうでもいいと思ってる人たちなのでね。

考え方も好きではない。

こんな人たちと今日子が結婚したら可哀想、と・・・。

 

教会から早くヤクザも刑事も出ていってほしいなあと思ってましたね。

教会にいる子どもたちにも良くない影響がるでしょうしむかっ

 

物語的には天竜会と対立する組織が天竜会を乗っ取ろうとしてますが、天竜会のような小さな組織はすぐにやられてしまいそうに思ってました。

 

物語としてはまったく予想のつかない感じなんですけど、とにかく下品でグチャグチャでセクハラがフィルムに焼き付けられたような映画なのですっごくイヤだと思って観るのが気持ち悪くなってきた。

 

 

しかし、映画の中盤、不思議なことが起こっていた。

 

もちろん私が望んだ展開ではなかったのだが・・・見ている私の気持ちは急激に変化していった。

 

バカバカしいまでのイヤな映画だと思えた『二代目はクリスチャン』のタイトルの意味が判明したあと、私は思いがけず、感動していた。

 

ああ、私は浅はかだった、確かにこの映画は下品で俗な映画だけど、それだけではなかったのだ。

 

つい1時間前には想像もしていなかったことに、私は幾度か目頭が熱くなってしまっていた。

 

ハッキリ言って映画として絵はしょうもない、安い。

夜の教会での戦いはわかりにくいし、アクションも今の映画に比べると大々的に見劣りがする。

 

しかし、今日子の気持ち、組のみんなの気持ち、そして神城の気持ちを知る時、あがなえず泣きました。

 

ああ、みんなは今日子と知り合い、こんな人になっていたのだと。

 

カソリックの映画ではありますが、そんなに宗教色はないと思います。

でも、「ヤクザたちとキリスト教」の映画として素晴らしい。

 

さすがは、つかこうへい。

私は自分の見識のなさを恥じるとともに、本物の凄みを実感していた。

 

また、天龍組の代貸、磯村(蟹江敬三さん)が本音を吐露する時、映画自体をひっくり返すものなのですが、そこにも真実がある。

そうなのだ。

現実は笑えないものなのだ。

 

映画の終わり近く、今日子は自分が本当に好きだった男性、英二(北大路欣也さん=一番かっこよかった)と向き合いますが、その時の英二の選択にも、そして、他の女性と結婚することにした刑事・神代の気持ちにも泣けました。

 

あ~、これはこんな映画だったんだ、と。

 

だからやっぱり、つかこうへい先生凄いビックリマークです。

 

 

この映画が当時の日本の映画の中でいかほどの予算で作られたものなのかはわかりませんが、この2倍、3倍の予算で、もっと絵的にお金をかけていたらさらに傑作になったのに・・・。

もったいないですよね~。

 

この形の、前半お笑い、後半感動って映画、1980年代当時から日本にあったんですかはてなマーク

あったとしたらもう、それは私がものを知らないし、当時の日本映画の良さですよね。

 

私が監督だったらこの映画から下品な要素を抜いて、男性キャラの性格も変更しようとすぐに思ったんですけど、そうしたら映画の良さが消えるんでしょうね~。

 

だから観始めた時には超~イヤビックリマークだったけど観終える時には降参でしたよ。

まさしく、逆・竜頭蛇尾~(≧∇≦)

 

 

つかこうへい先生の『蒲田行進曲』(1982年)を観た時、主役のヤス(平田満さん)の性格筆頭に、何もかもがイヤだな~と思ったんですけど、どこかで何かがわかりかけたんですね。

良さとゆうか・・・それが『二代目はクリスチャン』でわかってきたように思います。

私もまだまだ学習中だっちゅうことでしょうか。

 

アクション的にはズバリ、ぜんぜんもの足りませんでした。

アクション女優としての志穂美悦子さんは、また今後の作品で楽しませていただきます。

李紅竜を演じた『女必殺拳』シリーズ(1974 - 75年)をまず何とかして観たいですね。

 

もちろん井筒監督の作品も観ていくつもりです。

 

『二代目はクリスチャン』はお下劣映画で、人にオススメしていいのかどうか考えてしまう作品だけど、愛の形を描いた傑作に違いないと思います。

低俗の中に人の尊さがある場合も・・・この映画ならではだと思うのでまだ観てないならチャレンジしてくださいね。

 

でわ、今日もありがとうさんでした、アンニョン~(^.^/)))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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