アンニョン(^-^)ノ
いつも読んでくださり、ありがとうです
23日、火曜日ですけど、この映画を観てきました・・・
ホンマにいい~映画でしたよ~( ;∀;)
茲山魚譜 チャサンオボ
ソル・ギョングが初めて時代劇に出演した映画ってことでとても気になってたんですけど、日本でも公開されてるのに気づいてなく、ブロともさんの記事で教えてもらい、急遽、観てきました(^_^;)
いや、ホントにこのところ劇場公開作品にまで気がいってない
何度も書いてますけど私は映画を観る前にその作品の内容など詳しいことをできるだけ知りたくないタイプ。
でも、史劇の場合、少しは知識を得ておいた方がいいかもしれないと思いました。
今回、観る直前でしたけど時間があったので、パンフレット(700円)を少しだけ読んでから観ました。
そうして観て良かったと思います。
『茲山魚譜 チャサンオボ』は朝鮮王朝時代の韓国で発表された海洋生物学書「茲山魚譜(チャサンオボ)」に記された史実をベースに、同著を記した学者のチョン・ヤクチョンと彼を支えた漁夫チャンデの師弟関係の行く末を描いたドラマです。
まあ、これだけでも大丈夫だけど、当時の時代背景などを知ってた方が面白いのは確かですよね。
私は不思議なことに、韓国の歴史映画はスッと楽しめるんですね。
最初からそうでした。
もう前世が韓国人だったとしか思えないんですが、また全体的に韓国の映画の表現や作風が私に合うんでしょうね、きっと。
またわからない時にはそう正直に書きますけど、『チャサンオボ』もやっぱりぜんぜん大丈夫でした。
それどころかホント、没頭し、感動した126分でしたよ。
話しですけど、公式サイトさんの方のストーリーを読んでおかれた方がいいかもですね。
大丈夫ですよ、このストーリーの他にも大事なことがいっぱい起こりますからね。
ストーリー
生きる意味を追い求めた師弟の、実話を基に描いた感動の物語――
1801年、朝鮮時代――第22代国王・正祖(チョンジョ)亡き後を継いだ幼き王、純祖(スンジョ)に変わり曾祖母の貞純(チョンスン)王后が権力を握ると、天主教(カトリック)に対する迫害を行い、正祖の側近たちを追放した。熱心なカトリック教徒であった天才学者 丁若銓(チョン・ヤクチョン)も黒山島(フクサンド)に配流される。突然現れた都会の香りのする知識人の若銓に戸惑いながらも、あたたかくもてなそうとする島民たち。生活は貧しいが、多くの海洋生物が生きる豊かな海と美しい自然、何より素朴で親切な人々に出会い心がほどけていく若銓。次第に深遠な海の生き物たちの魅力にとりつかれ、庶民のための“海洋生物学書”を書き記したい欲望が生まれていく。島民の中に誰より海の生き物に詳しい若き漁夫・昌大(チャンデ)がいることを知った若銓は、学問を教える代わりに海についての知識を自分に伝授するよう取引を持ちかける……。
島流しになった学者と島の漁師青年の師弟関係、年齢を超えた友情の映画、と私は見ましたね。
その感じで観てたら、ぜんぜん難しい映画じゃないですよ。
でも当時の、天主教(カトリック)に対する迫害について知っていた方がいいのはもちろんでしたけど、それ以外にも学問、文化などについての知識があった方がホントはいいんでしょう。
そういった知識は私には皆無なので、こんなことかな、と予想するだけでしたけど・・・いつか、そういったことも勉強できたらいいんですけどね。
ふと思ったのは主人公たち、丁若銓(チョン・ヤクチョン)と 昌大(チャンデ)の名前が字幕では漢字でしたよね。
翻訳された方のお考えでしょうけど、この映画にはそれが相応しいと私にも思えました。
観た映画館が、近くなのは嬉しいんですけどミニシアターさんで、スクリーンが小さいのが私にはちょっと不満なのですが、観てる途中はもうスクリーンの大きさが気にならなくなってきました。
お客さんはかなり年配の方々が多く、いかにも昔からずっと映画を観てこられた知的な層って感じで、にわかってムードじゃない。
私なんかよりもずっと韓国の歴史にも詳しそうです。
そして、京都の映画館では珍しいと思いましたけど、面白い場面では控えめに笑いが起こるんですよね~。
それが何だか嬉しかったですよね。
やっぱり映画の好きな方々は笑いがわかる・・・と。
『チャサンオポ』は意外かもしれませんが、かなり笑える映画ですよ。
島流しになった学者と島の人たちの交流ですけど、そこがあれこれとかなり笑えるんですよね。
島の人たちがフレンドリーでホントにいい人たちばかりなので。
イ・ジュニク監督のセンスでしょう。
私もホントに面白かった。
前半はコメディ史劇といってもいいでしょう。
とても楽しく・・・美しい・・・島流しになったことはイヤだったでしょうけど、それが原因で新しい出会いがありました。
知的探究心が強い丁若銓(チョン・ヤクチョン)同様、私もワクワクしましたね。
でも、中盤からは・・・何度も落涙しそうになりました。
言葉では説明できないんですけど、やっぱり丁若銓と 昌大(チャンデ)の師弟の絆、友情でしょう。
昌大は漁師の若者だけど、実は両班の庶子で・・・それもあったんでしょうけど、学問への気持ちがとても強いんですよね。
島に本が届くと一心不乱に読むほど・・・。
学問を極めた丁若銓だけど、漁師である昌大が自分にはない知識を大量に持っていると気づく。
そこで教える関係、教わる関係が相互に生まれるんですよね。
島の美しい風景の中、その過程とあり方にもう泣けました。
後半、予想外なほど昌大の人生に変化が訪れますが、そうなったことが私にも悲しく思えました。
でも丁若銓はそれを予想してたし、そうなってほしくないと思ってたんですね。
その気持ちにもまた心打たれました。
昌大もそうだったようです。
後半はかなり「韓国映画」ですね。
ある種の、韓国映画に相通じる理念、思想といいますか、それがあって、若干、韓国映画の定型に沿ってるとは思いました。
しかしそれはそうなるしかないと思います。
人に貴賎はない、人が人を虐げるべきではない・・・私自身、胸に刻んでおくべきことです。
それがいつも韓国映画にはありますね。
役人たちによる農民からの搾取は『群盗』(2014年)とか、他の映画でも目にしてきた光景です。
それを間違ってると思うのが当然だと思いますし、昌大も苦悩することになります。
『チャサンオボ』ではさらに、どう生きるのは豊かなのか・・・それがあったと思います。
もちろんどの職業も社会で必要とされてるし、尊いんですけど、丁若銓が昌大にどうあってほしかったか、それが理解できたんです。
そこにまた泣きましたね。
監督さんはイ・ジュニク監督。
韓国を代表する映画監督のお一人でしょう。
製作・企画として携わった作品もあるし、出演もされたり、日本映画『イン・ザ・ヒーロー』(2014年)にも出演されてたりしますけど、監督作品としてはこういった作品がズラッと並びますね。
キッド・カップ 1993年
黄山(ファンサン)ヶ原 2003年
王の男 2005年 ★
ラジオ・スター 2006年 ★
楽しき人生 2007年 ★
あなたは遠いところに 2008年 ★
雲を抜けた月のように 2010年 ★
平壌(ピョンヤン)城 2010年
ソウォン 願い 2013年 ★
王の運命 歴史を変えた八日間 2015年 ★
空と風と星の詩人 尹東柱の生涯 2015年 ★
金子文子と朴烈(パク・ヨル) 2017年 ★
ピョンサン(辺山) 2018年
茲山魚譜 チャサンオボ 2021年 ★
★=私が観た作品です。
どれが好きかと言われても難しいんですけど、どの映画もホント好きですね。
DVDを持ってることもあり、『王の男』、『楽しき人生』を特に繰り返し観ています。
ソル・ギョングはもちろん、私の大好きな俳優さん。
今回はソル・ギョングにとって初の時代劇ですけど・・・『燃ゆる月』(2000年)はないことになってんにゃ(^_^;)
いや、『燃ゆる月』はファンタジー映画のカテゴリーなんでしょうね。
すっごい昔やし。
とにかく「ひげ」すらも珍しくなかったですか。
髷を結い、その上にカッ(笠子帽)をかぶってるのが初ですものね~。
丁若銓(チョン・ヤクチョン)を演じるソル・ギョングは実年齢よりも高い年齢だと思いますけど、上手い下手の前にまず感動でしたよ。
本気の演技といいますか、丁若銓にしか思えなかったもの。
丁若銓も学者特有なのか学問以外はあんまりこだわらない人で、興味を感じるものに出会った時に目を輝かせるのがお茶目でしたね~。
でも島での長い暮らしの中、いつの間にかしっかり恋愛もなすってたようです(≧∇≦)
ピョン・ヨハンくんは前にも書きましたけどドラマを観れてない私にはあまり馴染みのない俳優さんだったんです。
でも、『あなた、そこにいてくれますか』(2016年)と、『エンドレス 繰り返される悪夢』(2017年)がありますね。
今後はもっと出演作を観ていくことになるでしょう。
昌大(チャンデ)を演じるピョン・ヨハンくんはホントに島の漁師青年って感じで、海慣れしてるのがありありとわかりますね。
海に舟を出す毎日が当たり前って感じで。
かっこいいですよ。
それだけに後半の正装姿がなぜか悲しい・・・。
後半の主人公は昌大くんなので、その表情に没頭でした。
昌大くんはお喋りな人ではないので、表情がモノを言うんですよね。
ピョン・ヨハンくん、ホントに良かったです。
ファンになりましたよ~。
助演の方々、ホントに大勢出てこられまして、豪華ですよね~。
後でまた出てくるのかなと思ってるともう出てこない人もいるので最初から集中して観てくださいね~。
イ・ジョンウンさんは島での丁若銓のお世話をすることになる女性カゴ
の役ですね。
可愛いですよ~(≧∇≦)
昌大のお母さんはパン・ウンジンさんが演じていていいですよ。
お母さん、最後の方で島に帰る時、ガッカリしたかなあ~
Tiny-Gドヒちゃんは島の娘ボンネの役で口は悪いが潜りも得意。
潜ってたことであることになりますね~。
やっぱり可愛いですよ~(≧∇≦)
ドヒちゃんの演技も良くって特に後半、とても効いてますね
カン・ギヨンくんはリュ・スンリョンさん(丁若銓の弟さん役)のお弟子さんの役で、そこまで笑いではきません。
でも、ちょっとうぬぼれ屋の側面のある役で、そのせいで後半、恥をかきましたね。
笑いを取りまくるのが島のエライさんである別将を演じるチョ・ウジンさんですよ。
いやもう、こうきたか~って感じですよね(;´∀`)
何年越しのボケをかましてきますから。
チョ・ウジんさんって怖いと思ってたんですけど怖くない
この映画では楽しい役でした~。
なんか笠子帽もちょっとカウボーイ風だし。
この映画のチョ・ウジンさん好きやわ~(≧∇≦)
もう一人、ユン・ギョンホさんも短い出番ながら笑えました~。
パンフレットは700円(税込)でしたよ~。
・ 丁若銓 『茲山魚譜』 序文(劇中より)
・ イントロダクション
・ ストーリー&人物相関図
・ キャスト ソル・ギョング ピョン・ヨハン
・ 丁若銓と人々
・ コラム 俳優を輝かせる監督 イ・ジュニク 佐藤 結(映画ライター)
・ ソル・ギョング インタビュー
・ 監督 イ・ジュニク
・ プロダクション・ノート
・ コラム 朝鮮の新しい霊性 -『茲山魚譜』の世界- 小倉紀蔵(京都大学教授)
・ コラム 『茲山魚譜』とその博物誌的魅力 中野 泰(筑波大学人文社会系准教授)
・ キーワード 知ると更に映画が面白くなる用語集
・ 作品データ
実は私はまだほとんど読んでないんですけど、これから読んでまた、映画について考えようと思います。
『茲山魚譜 チャサンオボ』
いい映画でしたよ~
さすがはイ・ジュニク監督
この映画は自信いっぱいにオススメ致します
是非、劇場で観てくださいね~
今日も最後までおおきに、ありがとうさんでした
アンニョン~(^.^/)))
茲山魚譜 チャサンオボ
原題:자산어보
英語題:The Book of Fish
中国語題:兹山鱼谱
2021年製作/126分/G/韓国
日本公開日:2021年11月19日
字幕翻訳:本田恵子
配給:ツイン
監督:イ・ジュニク [第14作]
脚色・脚本:キム・セギョム
脚色:キム・ジョンフン
助監督:イ・ヒョンソク
撮影:イ・ウィテ
照明:ユ・ヒョクチュン
編集:キム・ジョンフン
音楽:パン・ジュンソク
美術:イ・ジェソン
武術:シン・ヨンフン(TRIPLE-A)
出演
ソル・ギョング → チョン・ヤクチョン(丁若銓)
ピョン・ヨハン → チャンデ(昌大)
イ・ジョンウン → カゴ宅(テク)
ミン・ドヒ → ポンネ
チャ・スンベ → プンホン
カン・ギヨン → イ・ガンフェ
友情出演
トン・バンウ → ナジュ(羅州)牧師
チョン・ジニョン → チョンジョ(正祖)
キム・ウィソン → チャン進士(ジンサ)
パン・ウンジン → チャンデの母
リュ・スンニョン → ヤギョン
チョ・ウジン → ピョルチャン(別将)
チェ・ウォニョン → ヤクチョン
ユン・ギョンホ → ムン・スンドク
チョ・スンヨン → イ・ビョク
キム・ジョンパル → イ・スンフン
キム・ジュナン → ファン・サヨン
イ・ヨンソク → シム・ファンジ
カン・ソンヘ → イ・シス
チェ・ホンイル → イ・ビョンモ
チョ・ハソク → ソ・ヨンボ
イ・ソンジュ → チョンスン(貞純)大妃
チェ・ヒョンジン → スンジョ(純祖)
※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。
映画『茲山魚譜 チャサンオボ』関連小説 『黒山 フサクン』
1880年代、天災による飢餓や疫病が蔓延していた頃、朝鮮王朝による天主教(ローマ・カトリック)信徒への迫害は凄惨を極めていた。
拷問で殺された三兄弟の生き残りである儒学者、無学ながら教えに惹かれる馬子、汁飯屋の寡婦、元宮女、船頭、黒島の少年、背教者…埋もれていた史実にこだわり、膨大な資料をもとに虚構を織り交ぜながら、人間たちの切実な生の営みを描く。韓国を代表する作家金薫による歴史小説の真骨頂。