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エンダーのゲーム (2013年)

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エンダーのゲーム

 



解説 オースン・スコット・カードが1977年に発表し、アメリカSF界の権威であるヒューゴー賞とネビュラ賞をダブル受賞した名作小説「エンダーのゲーム」を映画化。異星人の侵攻を受けた地球は、衛星軌道上に「戦いを終わらせる者」を育成するバトルスクールを設立し、世界中から優秀な子どもたちを集めていた。一家族がもうけられる子どもは2人までと定められた世界で、禁断とされる3人目の子ども=サードとして生まれたウィッギン家の少年エンダーは、それゆえに冷遇されて育ったが、やがて才能を見込まれバトルスクールに送られる。優秀な成績をおさめ、みるみる頭角を現すエンダーに周囲は「戦いを終わらせる者」として期待を寄せるが、エンダーは戦うことへの疑問と重い宿命に苦悩する。そんな中、最終戦争の時が迫り……。エンダー役は「ヒューゴの不思議な発明」のエイサ・バターフィールド。監督は「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」のギャビン・フッド。原作者自らもプロデューサーとして製作に参加している。 (映画.com)

 

 

いつも、ありがとうさんです…(^-^)ノ

 

1月30日、この作品を観ました映画キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラロケットDASH!

 

日本では2014年1月18日に公開された作品ですが、その時はよくテレビでCMが流れてましたし、私は「子どもの超能力者の映画」だと思って、観たいと思ったですね。

結果的に私は9年経って観たことになります。

 

で、「超能力の映画」かどうかはちょっとわからないところがあります。

具体的に超能力についてのセリフはなかったように思いますが、ハリソン・フォードさんが手を動かして宙に浮いている子どもたちを移動させるシーンはあります。

でも、そこだけだったかな。

ただ単に「能力」の高さが取り沙汰にされてる物語だったように思います。

 

SFの世界ですが、もしも超能力者を戦争で使ったらはてなマークは面白いテーマだと思います。

前にテレビで「ロシアがそれを本気で考えてる」みたいな番組を見た記憶があるのですが、なかなか怖い話です。

まあ、実現できなければ無駄な手間になるんでしょうけど。

 

しかし、人によって戦争にも向き不向きがあると思うので、『エンダーのゲーム』はそれについての映画ですね。

ぼやかしてますけど子どもたちを「人が殺せるようにする」話かもしれません。

 

ちなみに私はホラーやファンタジーもですが、SFも好きです。

小学生くらいの頃にSFってジャンルがあると知って、よく小説を読みました。

といっても、そんなにたくさんではないかもしれませんが、『世界のSF文学 総解説』(日本国民社)というガイドラインを買いまして(だからあらすじだけ知っているSF文学が多い)、その中で特に惹かれた本を読みましたね。

 

同じ頃にSF映画も観ていくことになるんですが…どの映画が好きかとかは長くなってしまうので、またいつか…。

 

でも、一つだけ書きますと ―― 『エンダーのゲーム』の感想を書く前にこれを書くのも変ですが ―― ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『ブレードランナー 2049』(2017年)と『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年)…この2作が私の中ではSF映画としてはメチャクチャ大きい存在です。

 

今のところ、SF映画といえば、この2作がまず思い浮かびます、私はこの2作が現在のSF映画の完成形ではないかと思ってます。

 

それで…率直に書くと、2013年の『エンダーのゲーム』だって映像、音響など古く感じはしないんだけど、SF映画としての突き詰まった完成度でいえば、私はやっぱりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の2作ってことになります。

何というか…もうぜんぜん違うと思ってしまう。

『エンダーのゲーム』を観ながら、そんなことも考えてました。

 

今年の11月にアメリカでは『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編が公開されるようですが、日本でも公開されたら是非、観たいですね。

 

オッひらめき電球…と…SF映画といえば今、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022年)が大ヒット中なんですけど…やっぱり観た方がいいんですけどね…ホントはあせる

どうもノリ気になれない…(^_^;)

 


 

『エンダーのゲーム』…私はかなり驚きました。

 

数千万人が犠牲となった異星人との戦いにより、人類は次の攻撃に備え優秀な少年たちを選び軍事訓練を続けていた。
国際艦隊のグラッフ大佐は、宇宙戦争を終わらせるものとして若き戦士エンダーを次世代の指揮官に育てていくが…。

 

前の戦争でエイリアンにひどく攻撃されて多くの人が亡くなったので、来たるべき次の戦争に備えて、国際艦隊の戦争に参加できるよう子どもたちを訓練して、最終的にはその中の一人が全軍を指揮することになるんですよね。

 

それで主人公のアンドリュー・ウィッギン、ニックネーム「エンダー」くんがハリソンさん演じるグラッフ大佐に期待をかけられて、出世していくって話なんですね。

でも軍隊の話で ―― そこはホント、アメリカ映画で見るような実際の軍の訓練所を思わせる場所で子どもたちが寝起きするんだけど ―― エンダーは他の子たちから憎まれて、いじめを受けそうになったりもして、でも彼は困難な状況を切り抜けて指揮官を目指していくって話です。

いろいろあるんですがね。

 

で、エンダーを演じるエイサ・バターフィールドが美少年で当然、応援したくなるし、物語的にもそうなんだけど、考えると、そのままエンダーが指揮官になって実際に戦争で戦うことになるのが結論なのはてなマークって思うんですね。

 

子どもが主人公だから頑張ってほしいと思うし、エンダーが軍の中で成功することを願うんですが、映画がかなり軍事主義的ではないかと、あとで思うんですよ。

 

いえ、軍事主義的な映画が絶対にダメで作るなとは言いませんし、実際、アメリカ映画には「タカ派」的な作品もありますよね。

SF映画だから、そういった攻撃的な物語も娯楽として許容されるでしょう。

でも、それでエイリアンをやっつけて、あっぱれ、バンザイでは居心地が悪くなるんじゃないのはてなマーク

子どもはともかく大人の観客は。

 

『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997年)という映画があるけど、あの映画はエイリアンとの戦争でファシズム化、軍事社会化している地球をSFとして描くことで、その愚かしさを際立たせた風刺映画ということですが、『エンダーのゲーム』は少年兵が出世して最強の軍人になることを真剣に描くの…はてなマーク

と、不安になってくる。

SFとはいえ危険な映画になりかねない…。

 

※ 結末に触れますのでご注意ください。

 

エンダーは最後のテストに合格し、彼は国際艦隊の指揮官になるのですが…ここで非常に大きなサプライズがあり、テストだと思って頑張ったのが実は実際の戦闘で、エンダーの指揮の下、子どもたちはエイリアンを全滅させ、根絶やしにしていたんですよ。

 

エンダーが自分のポテンシャルを全力で出せるように、グラッフ大佐たち大人が騙したわけですね。

しかしその過程でエンダーは輸送艦を見かぎって犠牲にすることを選んでいたし、もちろんその中には大勢の人たちが実際に乗っていたし、何よりもテストのその時間でエンダーは一つの星の種族を全滅に追い込んでたんですね。

そしてエンダーは敵のエイリアンたちが何もしてきていなかった、攻撃せずに、もしかすると話し合いでの解決を望んでいたのではないかと推測しているんです。

敵意のない、話し合いを望む相手を根絶やしに殺すことをもしもやってしまったのなら、その人は一生涯、悔いることになるでしょう。

エンダーがやってしまったのはそういうことですね。

 

彼のような少年にここまで重い事実が後になって明かされるのはあまりにも過酷です。

エンダーはショックを受け、取り乱してしまう。

 

おおまかに言って、この時点でエンダーという主人公に対して、グラッフ大佐たち大人が悪役的な立場になったのです、映画上。

 

少年を騙して使って冷徹なジェノサイドを起こさせたから。

 

私は、ああ、こういうことか、とショックでした。

 

この映画は114分ですが、この時点でかなり終わりの方です。

 

なんてイヤな映画だろう。

この映画を観た子どもたちはどんなふうに感じるのだろうか。

大人に対して猜疑心を持つかもしれない。

娯楽的な映画の範疇から逸脱してるのでは。

 

ともかく私がそこで思ったのは、この映画はイヤだってことでした。

だって私自身も騙されたんだもの。

エンダーがテストに合格してほしいと。

 

テストだと言って実際に敵を攻撃させ、無数の命を失わせるのは戦争であってもダメでしょ。

結果よければ全てよしってか。

いや、それは…。

 

が、映画はまだ先があり、実はエンダーは映画の途中で、不思議な夢にうなされてたんですが、それはエイリアンの「女王」からのメッセージで、あのテストでエイリアンを全滅させたあと、また「女王」から夢のメッセージを受け取ったエンダーは、隠れていた「女王」と会い、彼女からエイリアンたちの後継者を託され、エイリアンが安心して暮らせる星を探して旅立つのでした。

 

…いい終わり方だと思います。

和解と希望、そして償いがあります。

多くの命が一瞬で奪われた後ですが。

 

しかし、この「いい話」…時間的に短い。

けっこうサラッと語って終わってしまいます。

私はあんまり納得できませんでした。

もう少し時間をかけて納得させてもらえば感動したかもしれません。

 

と、ここまで書いてきて、私の結論ですが、こうまでイヤな気分になりつつ、この映画を観て良かったんですよ。

 

だって他の映画では経験できない気分を与えてくれたから。

 

観る前はちょっと侮っていて、少年の成功の話のSF映画かと予想してたんだけど、もっと特殊な作品に思いました。

一般的な反戦映画では味わえないような混乱を私にくれましたね。

 

だからこうして丁寧に感想を書いてみました。

他の方々が同じ気分になるかどうかはわからないけど。

 

 

原作者のオースン・スコット・カードがアンチLGBT発言を繰り返す人物だったこともあり、映画は大コケしたそうですね。

観たあとで作者について調べて、かなり幻滅な人でした。

作品は別、とは考えにくいかな…。

 

いろいろ書いていてキャストや監督さんについて触れられませんでしたが、ハリソンさんやヴィオラ・デイヴィスも良かったし、何よりも子どもたち…私の好きな『トゥルー・グリット』(2010年)のヘイリー・スタインフェルドも出演してるし、主役のエイサくんもホント素敵でした。

感じの良くない役でしたがモイセス・アリアスも印象的でした。

 

監督さんは『X-MEN』シリーズの中でも特に泣ける『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(2009年)のギャヴィン・フッドさん…『エンダーのゲーム』は扱いづらい原作だったかもしれませんが、もう少し描ききってほしかった…と言ったら生意気でしょうか、すんませんヾ(´▽`;)ゝ

 

音楽も若干、単調っぽく聴こえメリハリがなかったような汗

 

次の記事ももう書いてありますので明日、公開しますね。

 

今日もおおきに、ありがとうさんです…☆⌒(*^-゜)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


エンダーのゲーム

原題:Ender's Game
韓国語題:엔더스 게임
中国語題:安德的游戏


2013年製作/114分/G/アメリカ
日本公開:2014年1月18日
配給:ディズニー

監督・脚本:ギャビン・フッド
製作:ジジ・プリッツカー、リンダ・マクドナフ、アレックス・カーツマン、ロベルト・オーチー、ロバート・チャートフ、リン・ヘンディ、オースン・スコット・カード、エド・ウルブリッヒ
製作総指揮:ビル・リシャック、デビッド・コートスワース、アイビー・ツォン、ベンカテッシュ・ロッダム、テッド・ラビネット、デボラ・デル・プレト。マンディ・サファビ
原作:オースン・スコット・カード
撮影:ドナルド・M・マカルパイン
美術:ショーン・ハワース ベン・プロクター
衣装:クリスティーン・ビーズリン・クラーク
編集:ザック・ステーンバーグ リー・スミス
音楽:スティーブ・ジャブロンスキー

アンドリュー・“エンダー”・ウィッギン - エイサ・バターフィールド (逢坂良太)
ハイラム・グラッフ大佐 - ハリソン・フォード (磯部勉)
ペトラ・アーカニアン - ヘイリー・スタインフェルド (佐藤聡美)
ヴァレンタイン・ウィッギン - アビゲイル・ブレスリン (白石涼子)
メイザー・ラッカム - ベン・キングズレー (麦人)
グウェン・アンダースン少佐 - ヴィオラ・デイヴィス (斉藤貴美子)
ビーン - アラミス・ナイト (沢城みゆき)
アーライ - スラージ・パーサ (桑島法子)
ボンソー・マドリッド - モイセス・アリアス (内山昂輝)
ディンク・ミーカー - カイリン・ランボー (木村昴)
ピーター・ウィッギン - ジミー・ジャックス・ピンチャク (阪口周平)
ダップ軍曹 - ノンソー・アノジー (乃村健次)
バーナード - コナー・キャロル (田谷隼)
スティルソン - カレブ・J・タガード
ジョン・ポール・ウィッギン - スティーヴィー・レイ・ダリモア (志村知幸)
テレサ・ウィッギン - アンドレア・パウエル (田中敦子)
フライ・モロ - ブランドン・スー・フー (朝比奈拓見)
シャムラジナガル提督 - トニー・マーカンダニ (大友龍三郎)
ビヘリ (サヘル・ローズ)
パイロットの声 - オースン・スコット・カード (カメオ出演)

Cast
Asa Butterfield as Andrew "Ender" Wiggin
Harrison Ford as Colonel Hyrum Graff
Hailee Steinfeld as Petra Arkanian
Viola Davis as Major Gwen Anderson
Ben Kingsley as Mazer Rackham
Kyle Russell Clements as Young Mazer Rackham
Abigail Breslin as Valentine Wiggin
Aramis Knight as Bean
Suraj Parthasarathy as Alai
Moisés Arias as Bonzo
Khylin Rhambo as Dink
Conor Carroll as Bernard
Nonso Anozie as Sergeant Dap
Jimmy Pinchak as Peter Wiggin
Stevie Ray Dallimore as John Paul Wiggin
Andrea Powell as Theresa Wiggin
Brandon Soo Hoo as Fly Molo
Orson Scott Card as Pilot (voice cameo)

 

 

 

 

 


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