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THE BATMAN ザ・バットマン (2022年) マット・リーブス監督

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THE BATMAN ザ・バットマン

 

 

解説 クリストファー・ノーランが手がけた「ダークナイト」トリロジーなどで知られる人気キャラクターのバットマンを主役に描くサスペンスアクション。青年ブルース・ウェインがバットマンになろうとしていく姿と、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによってブルースの人間としての本性がむき出しにされていく様を描く。両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せる「バットマン」となった。ブルースがバットマンとして悪と対峙するようになって2年目になったある日、権力者を標的とした連続殺人事件が発生。史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察やブルースを挑発する。やがて権力者たちの陰謀やブルースにまつわる過去、ブルースの亡き父が犯した罪が暴かれていく。「TENET テネット」のロバート・パティンソンが新たにブルース・ウェイン/バットマンを演じ、「猿の惑星:新世紀(ライジング)」「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」のマット・リーブス監督がメガホンをとった。 (映画.com)

 

 

いつもありがとうさんです…(^-^)ノ

 

2月25日、この作品を観ました…映画キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラドンッ🦇ドンッ


『THE BATMAN ザ・バットマン』…この映画、「コリン・ファレルが特殊メイクで別人のような姿になって出演している」ことと、そして3時間近い上映時間がいかにも私を「満腹させてくれそう」と予想されることから、劇場に観に行こうか真剣に考えていた作品です。

 

結局は観に行かなかったんですが ―― 先に結論、いいんでしょうか。

正直、(高い料金を使っての)劇場鑑賞をやめておいて良かった…と思いました。

誤解なきよう、決して面白くなかったとか、映画としてダメだとか言うのではありません。

凄い映画だし、優れた映画だと思うし、『バットマン』の最新作がこう来たかと感動しましたし、面白かったし、退屈などせずに3時間近くを観たし、難解だったけど作品を貫く理念も私が好むものでしたが、去年の今頃だったら私はきっと「他の作品を選べば良かった」と落胆したかもしれないと思うんですね。

あつかましいけど、私とは合わないところがどこかにあるようにう思えました。

私が好きな興奮の要素には欠けるように思って…。

 

余談ですが、2月に上映されていた『タイタニック ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』…もうちょっとその気になって重い腰を上げていれば観に行けたのですが…観に行かなかった後悔に苛まれています。

何てことだ!!

観に行かれた方、いかがでしたかねはてなマーク

ええな~、ホンマ羨ましいなあ~汗

 

一年の間に素晴らしい映画が数十本、いや、数百本も公開されるのに観に行かない私…ある種の罪悪感汗

それについては私が映画館で映画を観るのにはあまり合わない人間だってこともあるし、映画を早く観たいという強い欲求にも欠けるので人それぞれではあるのですけどね。

でも、映画は公開された時に劇場で観るのが一番いいでしょう。

そうしたら作り手側の方々にもお金が入って、次の映画作りにも深くつながるに違いないしね。

そういった意味では私は本当の映画ファンでも何でもないですよね。

 

ただ「節約」や「我慢」は私の信条なのでね~。こればかりはいかんともしがたく…。

 

そんなことはどうでもいいんですが、コリン・ファレル。

 

 

「出番が多くない」と聞いてましたが、オズワルド・“オズ”・コブルポット…活躍の場面も多かったし、キャラとして存在感もあったし、彼目当てで見ても満足の映画だったかもしれません。

 

息子もビビったというその姿でなんでコリン・ファレルが絶対に演じなければならなかったのかは私にはわかりませんが、てかコリン・ファレルには息子がいたのか、てか結婚してたのか。

しかし相変わらずギャグが下品だ。

 

ま~、ね~、普通にこういう風貌の俳優さんもおられると思いますけどね~、でも、コリン・ファレルがわざわざぜんぜん別の姿になって役になりきること自体に意味がありますよね。

「おお~、あの人が」って…。

それが『THE BATMAN』の面白みの一つになってますし。

 

でも、書きながら思うんですが、この『THE BATMAN』はシリーズ化されるんでしょ。

されるんなら、クリストファー・ノーランの3部作よりももっと現実的な作風になるんだろうけど、敵、悪役(=ヴィラン)が「薬物の入った水の中に落ちて姿が変貌する」、「突き落とされる」、「実験の事故」なんてこともなく、普通にいそうな人のままの姿で「ヴィラン」ってことになるのでしょうか。

それはちょっと、残念…かな。

ペンギンさんはダニー・デヴィートのようにはならないのかなあ。

 

 

コリン・ファレル…好きなんですよ。

かっこいいと思いますよ。

コリン・ファレルが出ているって理由で観た映画っていい映画が多いんですよ、ホントに。

 

私が初めて見たのは『マイノリティ・リポート』(2002年)で、かっこよかったんですが、その次が2003年の『デアデビル』で…そのブルズアイ役がホントに素晴らしかった。

いわゆる「アメコミ映画」の悪役の中でも、今でも最高じゃないですか。

ブルズアイもそんな超能力者とかじゃなく「ものを投げるのが上手い人」で、平気でおばあちゃんを殺すし、エレクトラを殺したりするヤツなんですけど…悪役としてホンマかっこええな~。

 

そしてオリバー・ストーンの『アレキサンダー』(2004年)はもう、私にとっては歴史映画の最高傑作のうちの一つだと思いますし、テレンス・マリックの『ニュー・ワールド』(2005年)…劇場で観たんですけど、その年のベストじゃないかなあ…。

『ニュー・ワールド』って凄い映画ですよねはてなマーク

 

マイケル・マンの『マイアミ・バイス』(2006年)もとても満足した記憶がありますし(でもかなり忘れてます…)、ジェフ・ブリッジスが米アカデミー主演男優賞を受賞した『クレイジー・ハート』(2009年)では、コリン・ファレルはトミー・スイートというカントリー・シンガーを演じてるけど、(ジェフ・ブリッジスももちろんのこと)素晴らしい歌声も聴かせてくれました…。

 

日本で1月に公開された『イニシェリン島の精霊』(2022年)も評価が高いですね~。

 

でも、コリン・ファレルってネットでは、なんだか悪く書かれてるイメージなんですよ。

確かではないけど映画ファンに嫌われてる印象です…。

かつて素行に問題があるとされる中でも、偉大な監督たちの規模の大きい作品で主演するチャンスをモノにしてきたことに対する批判はてなマークもあるのかなあ。

そのあたり私にはわかりませんし、好き嫌いは人それぞれですが、私はもちろん評価されるべき俳優さんだと思いますよ。

The Clashの「I Fought the Law」だって歌ってるし。

 

 

マット・リーヴス監督…あ、左の方はもちろんアルフレッド・ペニーワースを演じたアンディ・サーキスさんですね。

 

マット・リーヴス監督は『クローバーフィールド HAKAISHA』(2008年)の監督さんなんですね…。

あの作品も気に入ってます。

ホンマ怖い映画やなあ思いましたよ。

 

そして『猿の惑星』の『新世紀』(2014年)と『聖戦記』(2017年)…ホンマ感動しましたよ。

あ~、だから、そのつながりでアンディ・サーキスさんも『THE BATMAN』に出てるんですね。

そうですか~、あの猿の…はい。

で、次はコウモリで。

 

マット・リーヴス監督は『THE BATMAN』の続編も続けて監督されるそうで、3部作になるとの話もありますね。

 

 

暗いとは聞いてたがホントに暗いなあ…。

あんまり暗いのでジェフリー・ライトさんなんて誰だか気づかなかったし、ジョン・タトゥーロさんもあの陽気っぽさが消えて、なんだか悲しかったなあ~。

ジョン・タトゥーロはもっと明るい役がええなあ汗

でもマフィアのボス役も似合ってたけど。

 

バットマンが主人公の映画はどれも面白かったです。

やっぱりティム・バートンの『バットマン リターンズ』(1992年)が好きだけど…クリストファー・ノーラン版の3部作(2005~2012年)ももちろん素晴らしいです。

 

私はザック・スナイダー版は『ジャスティス・リーグ』(2017年)しか観てないけど、覚えてないなあ…汗

 

そしてトッド・フィリップス監督の『ジョーカー』(2019年)…ホントに歴史的な傑作ですよね。

 

私が「アメコミ映画」を軽々しく語るなんて生意気なのでしませんが、『ジョーカー』になると、もうマンガの映画化の範疇を超えてると思ったし、逆にマンガの映画化の凄みも感じたし、以降のコミックの映画化に多大なる影響を与えたことは想像に難しくないんですよね、きっと( ゚ー゚)( 。_。)

 

だからその流れで『THE BATMAN』もこんなふうに現実的な映画になったんでしょう。

想像していたよりも、もっと現実社会に近かったし、ミステリーとかノワールの趣でしたよね…。

 

だからか、アクションなどはあまりなかったような気がする。

そこはガッカリしたんですが、しかしアクションを派手にすると作品に合わないことも確か。

 

だからぜんぜん子ども向きじゃないですね~。

めっちゃ大人向きの映画になったなあ…と思いました。

でも主人公のブルース・ウェインはまだ若く青年。

両親を失った悲しみから立ち直れず復讐に取りつかれている。

お金持ちだけど友達もいなくって、なんとアルフレッドとの関係も微妙…。

 

で、物語ですが、ここまでやって後が続くのかと思ったんですね。

確かに『ジョーカー』でも持たざる者の視点からはトーマス・ウェイン(ブルースの父親)の不遜も感じたのですが、それはえてしてお金持ちはそういうふうに大勢の貧乏人を見ないこともあるかもしれないし、貧乏人の見方が恨みや卑屈によるものかもしれない。

テレビで成功者が話してたりすると、非成功者は怒りを感じるかもしれないしね。

でも、『THE BATMAN』ではブルースにとって衝撃的な過去の真実が…。

 

ヴィランである「リドラー」ですが、ジム・キャリーとは似ても似つかず…一種、なんだろうか、リアルな犯罪者像に感じました。

例えば、安倍元総理を殺害した人物も、映画になるとそうなってくるかもしれない。

 

けれど、リアルな犯罪者像とはなんだろうか。

2008年に秋葉原で無差別殺人事件が起こった時、私はこれは同様の事件がこれから多数、起こるかもしれないと感じたんですよ。

でも、そう予想していたほどには起こらなかったと思う。

そして、後に報道されたところによると秋葉原通り魔事件の犯人(元死刑囚)は、「非正規雇用」の境遇から社会に恨みを抱いて事件に及んだわけでは、少なくとも本人の言い分では違うらしいということなんですね。

 

私は日本の雇用のあり方が、人々の間で不満を生み、結果として陰惨な事件が起こると思ったんだけど、そういう人は少ないようです。

ほとんどいないかもしれない。

やっぱり日本人は羊のようにおとなしく従順で、苦しんでいてもそれは自分のせいと考えるのかもしれません。

 

もちろん凄惨な事件が起こるなど、絶対にあってはならないことですけど…。

苦しんでても心の内を言えないのもあるし、かといって犯罪を起こしてそれをあらわするという発想もないのかもしれない。

最初から抜かれる牙がないとも言えるのかな。

 

が、映画では自分の境遇や過去によって社会への怨恨をつのらせ、だいそれた事件を起こすキャラクターが登場する…。

 

リドラーのやっていることは犯罪ですが、しかしこの映画では、彼にも一種の道理があるんですよね。

正しい動機というか、彼の正義だもの。

それだけゴッサムは汚れていたし、不条理だったんでしょ。

私はリドラーのことは好きになれなかったけど、共感するものがあった。

 

リドラーも別に強い人ではないので戦ったら弱いけど、頭は非常にいい。

でないとあんな犯罪、計画が立てられないもの。

でも、こうまでやった以上は幽閉せなあきませんなあ。

 

暗く、重い映画だったけど…マット・リーヴス監督の気持ちかな、結末は好きですね~、少し心が軽くなりました。

いい終わり方しますね~。

ラストは寂しいんですけどね(※ あのおまけシーンじゃなく)。

ようやくブルースの中に人間的なぬくもりが生まれたように思うんですが、それを見送る終わり方で…いいですね~。

 

ここまでやってまだ2作も作れるのかと思うけど、ブルースがバットマンとして完成していく過程があるんでしょう。

どうかな…わからないし、私の予想はたいがいハズれるしあせる

 

そういう感じで、観て良かったです。

 

今日もおおきに、ありがとうさんでした…☆⌒(*^-゜)v

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


THE BATMAN ザ・バットマン
原題:The Batman
韓国語題:더 배트맨
中国語題:蝙蝠俠


2022年製作/176分/G/アメリカ
日本公開:2022年3月11日
配給:ワーナー・ブラザース映画

監督・脚本・製作:マット・リーブス
製作:ディラン・クラーク
製作総指揮:マイケル・E・ウスラン、ウォルター・ハマダ、シャンタル・ノン・ボ、サイモン・エマニュエル
バットマン創造;ボブ・ケイン、ビル・フィンガー
脚本:ピーター・クレイグ
撮影:グレイグ・フレイザー
美術;ジェームズ・チンランド
衣装:ジャクリーン・デュラン
バットスーツ衣装デザイン:グリン・ディロン、デビッド・クロスマン
編集:ウィリアム・ホイ、タイラー・ネルソン
音楽:マイケル・ジアッキノ
音楽監修:ジョージ・ドレイコリアス
視覚効果監修:ダン・レモン

キャスト (日本語吹き替え)
ブルース・ウェイン / バットマン - ロバート・パティンソン (櫻井孝宏)
セリーナ・カイル / キャットウーマン - ゾーイ・クラヴィッツ (ファイルーズあい)
エドワード・ナッシュトン / リドラー - ポール・ダノ (石田彰)
ジェームズ・ゴードン警部補 - ジェフリー・ライト (辻親八)
カーマイン・ファルコーネ - ジョン・タトゥーロ (千葉繁)
オズワルド・“オズ”・コブルポット / ペンギン - コリン・ファレル (金田明夫)
アルフレッド・ペニーワース - アンディ・サーキス(相沢まさき)
トーマス・ウェイン - ルーク・ロバーツ (久保祥太郎)
マーサ・ウェイン - ステラ・ストッカー
アニカ・コスロフ - ハナ・ハルジック
ベラ・リアル - ジェイミー・ローソン (村中知)
ドン・ミッチェル・Jr.市長 - ルパート・ペンリー=ジョーンズ (佐藤隆太)
ウィリアム・ケンジー - ピーター・マクドナルド (北田理道)
ピート・サベージ本部長 - アレックス・ファーンズ (北川勝博)
マッケンジー・ボック署長 - コン・オニール (姫野惠二)
マルティネス巡査 - ギル・ペリッツ=アブラハム(越後屋コースケ)
ギル・コルソン検事 - ピーター・サースガード (山岸治雄)
ザ・ツインズ - チャーリー・カーヴァー、マックス・カーヴァー
バリー・コーガン (内山昂輝)

 

 

 

 

 


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