アンニョン(^-^)ノ
いつもありがとうです
11月4日ですが、この韓国映画を観ました・・・
食われる家族
『食われる家族』 ―― 何とも禍々しいタイトルですが、また同時に映画として煽ってくるタイトルでもあり要注意です。
今年の1~2月に開催された「未体験ゾーンの映画たち2021」の上映作品だったんですけど、私は結局、劇場さんでは観なかったんですよね。
でも、とても観たかったんですよ、ホントは。
観たかった理由の一つは主演の一人がソン・ジヒョだったからです。
ソン・ジヒョ ―― 私がホラー映画から韓国映画に入ったことは何度も書かせていただいてますが ―― その早い段階で観て、ホントに魅了された作品、『狐怪談』(2003年)の主演の一人ですね。
映画も日本の少女マンガ的なところがあって、まず最初、「韓国の女の子」を知ったように思えて、感動したんですよね~。
韓国映画っちゅう新しい文化に触れつつ、かなり日本と同じじゃないかと感じたと思います。
以後、ソン・ジヒョの出演した映画を観てきて、どれもお気に入りです。
『セックス イズ ゼロ2』(2007年)と『霜花店 運命、その愛』(2008年)、『コードネーム:ジャッカル』(2012年)の3作品はまだ観てないんですけど、そろそろ観るべき時が来たのかもしれません。
またドラマもコンスタントに出てるんですけど、私的には『宮 Love in Palace』(2006年)ですよね。
映画出演よりも有名かもしれない。
シンくんの元カノでチェギョンのライバルになるミン・ヒョリンを演じてました。
『宮(クン)』はよく覚えてますよ。
ソン・ジヒョは中学時代からその美貌が他の生徒から注目されていたそうですけど、パク・シニャンの映画、『約束』(1998年)を観て自分もあんな演技がしたいと思ったそうですね。
韓国での彼女の人気はバラエティ番組『Running Man』に出演した頃に高まったとのこと・・・詳しい方おられますか
とにかく私にとって韓国映画のスタートは、熱烈な関係だった親友の幽霊に化けて出られて怯え逃げまくる彼女からだといってもいいでしょう。
また『新しき世界』(2013年)でも強い印象を残し、『無双の鉄拳』(2018年)では「マ・ドンソクさんの嫁はん」でしたね~。
ソン・ジヒョが出る「怖い映画」なら私は絶対に観なあきません。
監督のソン・ウォンピョンさんは本来は小説家だそうです。
私はまったく知らなかったんですが、ソン・ウォンピョンさんの作品、『アーモンド』(2017年)は日本でも2020年本屋大賞・翻訳小説部門を受賞したり、非常に評判がいいようです。
※ 上の2作品のアフィリエイトはKindle版です。 書籍も出版されてます。
※ 「6人の女性作家が描く“おばあちゃん”アンソロジー」です。
文学作品を読んでいないので、そっちは何も書けませんけど、映画を観終えてから知って、監督が小説家だったことに、そうだったのか、と思いました。
ソン・ウォンピョン監督は2004年の『微笑/ほほえみ』に出演で参加されてから、短編映画を幾つか監督されて、『食われる家族』が長編監督作品1作目ってことになるようですね。
ひき逃げ事故で妻を失い、悲嘆にくれている建築家カン・ソジンは、幼い娘のイェナと共に実家に戻り、両親と暮らしている。
ソジンは友人の精神科医の力を借りて、自分の記憶からひき逃げ犯を見つけようとしてるんですけど、上手くいかない。
ソジンの妹ユジンは25年前に、遊園地で行方不明になって、そのままどこにいるのかわからなかったんだけど、ある日、妹が見つかったと連絡があるんですね。
それでソジンは妹ユジンだとゆう女性を実家に連れて帰ることになる・・・。
過去にも行方不明の妹だという人が現れたこともあったので、ソジンは彼女が本物のユジンであるかどうか、慎重に見極めようと考えてたんですが、DNA鑑定の結果も彼女がユジンである事実を示しており、両親も喜んでユジンを迎え入れる。
イェナも最初はイヤがったんだけど、美人の叔母さんってことでなつき始めます。
それでもソジンはどこかおかしいと考え、家政婦さんにも注意するよう言うんですけど・・・。
ユジンは看護師だったこともあり、足が不自由なお母さんの世話を甲斐甲斐しくしたり、非の打ち所がないほどなんですよね。
そこから怖いことになっていく。
で、ユジンはご両親のお世話の名目で人を連れてきて、その、知らない人がいつの間にか家に住んでるのがホントに怖いんですけど、ご両親は喜んでたり、ソジンが孤立していくのも恐怖なんですよね。
いや、自分がソジンの立場だったら気が変になりますよ。
韓国はこうゆう「周囲の方がおかしいのに自分の方がおかしいことになってる」って感覚、映画でやるのが上手いですよね。
映画的には最後まで観ると、前半から伏線があったのに気づきますね。
でも、かなり最後まで観ないと、真相はわからないですよ。
結果的に『食われる家族』って日本での題名ですが、ちょっと誤解を生む感じかなあと思います。
でも、それは原題の『侵入者』の方もそうなのかもしれませんね。
行方不明の妹が本物かどうかの話しなんですけど、結末はちょっと最後まで予測できなかったですよ。
カン・ソジンを演じるのはキム・ムヨルさんですね。
『悪人伝』(2019年)ではマ・ドンソクさんともケンカするタフガイな刑事さんでしたけど、妻を失い心を弱らせてる人の役も似合ってますね。
『食われる家族』ではホントに酷い目に遭う役ですが・・・。
イェナ役のパク・ミナちゃんはホントに可愛いですし、ソジンのお母さん役のイェ・スジョンさんは『新 感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)のあの姉妹のお姉さん役だった女優さんですね。
ソン・ジヒョは期待通り、とても良かったです。
観客動員数はそこまで伸びなかったそうですけど、この映画も彼女の代表作になるでしょう。
いろいろ語りたい映画なんですけど、そうなると真相に触れることになりますので、下の方にちょっと書かせていただきました↓
興味のある方はお願いしますね。
『食われる家族』・・・考えさせられるホラー映画といった感じで、非常に良かったです。
怖い系としては傑作でしょう。
怖いし、自分だったらイヤなんだけど映画だったら絶対に観たい、みたいな。
ただ、超苦節的な残酷さでくる映画ではないので、ちょっと勇気を出せばどなたにも観てもらえる映画じゃないかと思います。
と言ってもやっぱり怖いんですけどね~。
観ておられなかったら、また観てくださいね。
でわ、今日もありがとうさんでした、アンニョン~(^.^/)))
食われる家族
原題:침입자
英語題:intruder
2020年製作/103分/韓国
日本公開日:2021年2月5日
「未体験ゾーンの映画たち2021」上映作品
配給:「食われる家族」上映委員会
監督:脚本:ソン・ウォンピョン [第1作]
脚色:チョン・チョル
PD:パク・キョンウォン
助監督:キム・ヘソク
撮影:ペク・ユンソク
照明:イ・ジュニル
編集:キム・チャンジュ
音楽:キム・テフン
美術:イ・ネギョン
武術:イム・ワンソプ
出演
ソン・ジヒョ → カン・ユジン FAMILLE ARCHITECTURE
キム・ムヨル → カン・ソジン
イェ・スジョン → ユニ ソジンの母
チェ・サンフン → カン・ソンチョル ソジンの父
パク・ミナ → カン・イェナ ソジンの娘
ホ・ジュンソク → チュ・ソンウ刑事 ソウル東部警察署 刑事課強力チーム
ソ・ヒジョン → ファン・ジョンイム 家政婦
イム・ソヌ → スジョン ソジンの妻
チェ・ヨンウ → ヨンウ 理学療法士
キム・スンビ → ヒス ヨンウの婚約者
イ・ジェヨン → ポムソク ひき逃げ犯
イ・ヘウン → サング FAMILLE ARCHITECTURE
チェ・ウォン → パク・サンムン ハヨンの父 警備員 元IT会社社長
チャン・ソンユン → ヨンジュ ヘソン病院 看護師
友情出演
ソ・ヒョヌ → ハン・ジュンウ博士 精神科医 ソジンの友人
※ 輝国山人の韓国映画様から転載させていただいてます。
怒りくまさんが最後までストーリーを書いてくれてます。
詳しくお知りになりたい方は、怒りくまさんのレビューをどうぞ
怒りくまさん、いつもありがとうございます☆⌒(*^-゜)v
ネタバレ
※ 思いっきり真相に触れてますのでご注意ください。
なんでソジンの家族がユジンの言いなりだったかというと、食事とかに薬を混ぜられてて、その上で耳元で囁かれると何でも信じてしまうからだったんですね。
つまり薬物による洗脳でした。
そしてユジンはチャムジン教の信者で、このチャムジン教はネパールのクマリと聖母マリア崇拝を模しており、宗教的地位を高めるために選ばれし純潔な子ども、〝真なる子〟を必要としたために子どもを誘拐していました。
ソジンの娘、イェナはその〝真なる子〟に選ばれ、狙われてたんですね。
そして実は、仕事にかまけて家庭をかまわなかったソジンのせいで、イェナを一人で育ててるようなものだったソジンの妻に、教団が接触したことで、ソジンの妻は命を落とすことになったんですね・・・。
ですのでソジンにも原因があった。
このカルト的な新興宗教が真相だったことは私にはかなり衝撃でしたね。
ぜんぜん予想してなかったので。
でも、その山の中の礼拝所に向かうあたりの絵とか、ホントに好きでしたし、物語的にもその衝撃が好きでした。
韓国の新興宗教といえば、統一教会ですけど、韓国映画を観るようになって、私も少し調べてみました。
そうすると意外と日本とのつながりも明確で、反共産主義を標榜する勝共連合の流れで、日本の政治家たちも統一教会と公然と関係があるんですね。
別に隠すでもなく。
韓国のカルト宗教と日本の政治家がそうまで関係深いのも私には意外だし、なんか、怖く思うんですが・・・あ、信者さんの方が読んでられたら気を悪くしないでください・・・って団体名を出した時点で気を悪くされてると思いますけど、ま、いっか(^_^;)
『食われる家族』も教団の人が社会に多くいて、お互いに協力し合ってるようですし、密かに違法なこともしてるようなので、怖いです。
そこは映画だと思いたいところですが。
最近、オウム真理教の死刑になった教祖の娘さんたちがそれぞれ書いた本を読んでみようと思いまして・・・ただ、読書として読んでみたいと思ったんですね。
そんな時にこの映画を観たものだから、変な偶然を感じましたね。
それだけ世の中に新興宗教と、場合によってはその怖さが定着してるのかもしれませんけど。
新興宗教とその教祖といえばイアン・バンクスの『秘密 Whit』(1995年)も読もう読もうと思いつつ、まだです・・・。
信仰については私がどうこう書けるものではないけど、私は危険な新興宗教は怖いと思っているから・・・それをこうして映画で描かれてるのを観ると、逆に安心しましたね。
やっぱり怖い、と。
そういった怖さも映画として良かったんですよね。
でも、まあ、政治でも思想でも、盲信、狂信になると怖いですよ。
宗教だけが怖いわけじゃないでしょう。
人の盲信、狂信が怖いんでしょう、話しが通じないので。
この映画では宗教団体の怖さもあったけど、前半はむしろ、再会した身近な人である家族が本物なのかどうかの不安と恐怖ですよね。
韓国では戦争の影響で離散家族の問題もありますが、数十年ぶりに再会して喜び合われることにホッとしますね。
『食われる家族』のラストですけど、真相を突き詰めない最後が、私は非常に好きでした。
実は家族を大切にしてなかった自分への戒め??
感動とはまたちょっと違うけど、何か心を揺さぶられました。