スプリット
3人 vs 23人格 恐怖は分裂する
級友のバースデーパーティの帰り、車に乗った3人の女子高生。見知らぬ男が乗り込んできて、3人は眠らされ拉致監禁される。目を覚ますとそこは殺風景な密室…彼女たちはその後、信じがたい事実を知る。ドアを開けて入ってきた男はさっきとは違う異様な雰囲気で、姿を現す度に異なる人物に変わっていた― なんと彼には23もの人格が宿っていたのだ!そして、さらに恐るべき24番目の人格が誕生すると、彼女たちは恐怖のどん底に。
3人 VS <23+1>人格。果たして、3人は無事に脱出できるのか!?
いつも、ありがとうございます(^-^)ノ
こんなに長く映画のブログをやっていくことになるとは思いませんでしたが、皆様が読んでくださるお陰で、生きる糧となってありがたいことです。
ただ、ここ数ヶ月、自分でもちょっといい気になって、だいぶん調子に乗っている気がして、分別の上の分別です。
正しき根拠の元、どなたに読んでいただいても気持ちよく読んでいただける安心安全なブログを目指し、よりいっそう研鑽することを誓います。
うちのブログには嘘がない、そう言い切れるよう…。
今日、書かせてもらう映画は、そんなに私もいろいろ書けるように思えないので、一個の記事ではなく、複数の映画まとめ書きの記事にしようかと思ったんですが、考えて一つの記事にします。
だって題名も『スプリット』といいますからナ。
2月10日でしたが、『妄想 Diary』(2006年)に続いて夜の夜中に観ました…
だって怖がりたかったものでね。
M・ナイト・シャマランが、ジェームズ・マカボイを主演に迎えてメガホンを取った作品で、日本では2017年5月に劇場公開されてます。
M・ナイト・シャマラン監督 ―― 身長178cmだそうですが ―― 彼の作品、好きです。
え~、調べると…初監督作の『Praying with Anger』(1992年)、そして2作目の『翼のない天使』(1998年)は観てないけど…それ以後の監督作は何らかの形(劇場鑑賞 or DVD鑑賞)で観てますよ。
まだ観てないのは2019年の『ミスター・ガラス』、2021年の『オールド』の2作ですね。
シャマランさんの監督作としてはですよ。
それで…
今年の4月7日ですが、最新作である『ノック 終末の訪問者』が公開されますね…
「シックス・センス」「オールド」のM・ナイト・シャマラン監督が、ポール・トレンブレイの小説「終末の訪問者」を原作に、世界の終末と家族の命を天秤にかけた非情な決断を迫られる一家の危機を描いたスリラー。
う~ん、これは観たい。
私の好きそうなテーマです。
上映時間100分ですか…長くはないですね。
出演は、デイブ・バウティスタ、ジョナサン・グロフ、ベン・オルドリッジ、ニキ・アムカ=バード、クリステン・キュイ、アビー・クイン、ルパート・グリント…ふむふむ…φ(..)メモメモ
皆様、観に行ってください、はい。
来年には『Trap』という作品も予定されているようですね。
M・ナイト・シャマランの映画は、観た映画どれも好きだけど…最も感動したのは『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006年)でしたね~。
シャマラン印の最後のどんでん返しがないことが衝撃でしたが、私は泣きました。
『エアベンダー』(2010年)もシャマランっぽくなかったけど意外とイケるって感じで、ずっとブルーレイを買おうか考えてたんですが…買えてません。
でも持っときたいな~。
評判の悪い『アフター・アース』(2013年)も私は気に入りましたよ~。
シャマランっぽかったし、こんな怖がらせ方があるんだと嬉しかったですね。
でもシャマランさんといえば、『シックス・センス』に始まる「意外なオチ」ですよね…。
だから観てない方々のために基本、ネタバレはできない…。
特に『シックス・センス』は凄まじいコロンブスの卵で、ある韓国映画もおそらく『シックス・センス』に基づいて作られてます。
『サイン』(2002年)も『ヴィレッジ』(2004年)も好きですな~。
『ハプニング』(2008年)も怖かったんですよね。
あの、既存のアメリカン・ホラーとは違うコロンブスの卵な怖さがたまりません~。
シャマランさんの怖がらせ方が非常に私に「合う」んでしょうね。
あ、『エアベンダー』は怖くないですよ。
ぜんぜんジャンルも違うし…。
「お子ちゃまが観れるシャマラン映画」でオススメです。
でも『レディ・イン・ザ・ウォーター』は私はちょっと怖かったんですよ。
「コティングリー妖精事件」を思い出して…。
嘘だと思ってたらホントだったって、怖いですからね。
「嘘だと思ってたらホントだった」って映画や小説は怖いですよ。
『スプリット』もそれ系なのかもしれないけど…。
論議の対象でもあるけれど、いずれにせよ、シャマラン監督は類を見ない傑出したライターであり、優れた演出家であることは間違いないでしょう。
私はアメリカの映画監督として ―― ここ最近、また確信しましたが ―― ジョエル&イーサン・コーエン、そしてジム・ジャームッシュ、おそらくデヴィッド・リンチが好きなんだと思うんだけど、それらの映画作家とはまた違う志向においてシャマラン監督の作品がとても好きですね。
また、シャマラン監督の次女イシャナさんも来年6月の公開に向け、映画監督としてA.M. Shineのホラー文学、『The Watchers』を映画化するという話です。
チラッとだけストーリーを調べてみましたが、お父さんが監督しそうな話(^_^;)
私思うに女の子の方が怖い映画を撮るかもしれまへんで~。
それで、『スプリット』ですが、舞台はフィラデルフィア…。
高校生クレア・ブノワが自分の誕生会をどっかのお店で開催した時、呼ばなかったらいじめられる可能性があると思ってクラスのはみ出しっ娘ケイシー・クックも招待したんですが、居心地悪そうなケイシーのため、親友のマルシアと共にクレアのパパの車に同乗してケイシーを送っていく途中、女子高生3人は男に拉致され…気づくとどこかの密室に監禁されていました。
男の目的はわからないのですが、それは恐怖です。
そして彼女たちが脱出を計る間に、その男、ケビン・ウェンデル・クラムがどういった人物なのか、明らかになっていきます。
同時にケイシー・クック自身の過去も観客たちは知ることになる…。
―― ストーリーについて私が触れるのはここまでにしましょう。
ホラー映画とは違う怖さの映画でしたが、最後まで観てさすがはシャマラン監督だと思いました。
特に過去が明らかになるにつれてケイシーのキャラクターの創造が優れていると思いました。
少し明かすと、ケイシーは身内の男性から性的虐待を受けているのですね。
だから、そういった危機から逃れる方法をずっと考えてきた少女なんです。
彼女は最初、こうなったらもう何もできないと諦めたように言いますが、その分、冷静で、彼女だからこその判断もあるわけです。
この映画は、拉致・監禁・虐待の恐怖の映画でもあり、またその危機から脱しようとする少女たちの物語でもあります。
余談ですが韓国では3ヶ月先に公開された『パーフェクト・ボウル 運命を賭けたピン』(2016年)の原題が『スプリット』だったため、シャマラン映画の方が題名を変えて『24アイデンティティ』になったそうですね。
で、『スプリット』…内容に触れないで書きますが、ケビン・ウェンデル・クラムを演じたジェームズ・マカヴォイの演技に、素直に脱帽でした。
様々な人格を心に秘めたケビン・ウェンデル・クラムを、その人格ごとに演じ分けるのは俳優冥利に尽きるお仕事だったのではないだろうか。
レオナルド・ディカプリオが実在の人物、「ビリー・ミリガン」役を演じようとしたのも彼のアクターとしての飽くなき理想追求があるのだと思う。
ディカプリオのプランは消滅したようですが、ダニエル・キイスのノンフィクション小説『24人のビリー・ミリガン』は、トム・ホランド主演で映画化されるとの報道もあります。
ともかく、すでにジェームズ・マカヴォイがやっちゃいました。
でも『スプリット』はノンフィクションではなく、シャマラン監督が創造したホラー映画。
ジェームズ・マカヴォイ…私が初めて見たのは『ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女』(2005年)でのタムナスさん役だったんですよね…。
優しい目をしたジェームズで、少女ルーシーとの交流に感動でした。
で、そんなに出演作を観てないんですが『ウォンテッド』(2008年)ではジョリ姐さんにしごかれまくり、『X-Men』シリーズでのチャールズ・エグゼビア役も素晴らしかったです。
やっぱり演技派ですよね…。
ケイシー・クックを演じたアニャ・テイラー=ジョイ…この前に観た『X-Men』シリーズの最新作、『ニュー・ミュータント』(2020年)…続編は作られなくなったと思いますけど、彼女の演技は素晴らしかったですよね…。
でも、私は『スプリット』のアニャが好きです。
『スプリット』でアニャの良さに気づきましたよね。
ケイシーは魅力的なヒロインでした。
『スプリット』…映画としては、やはりシャマラン監督だと思いました。
恐怖について、一種の予感と前兆があり、その真相にはゾクッときて、ビビりました。
まあ~、ホラー映画のオチではないんですが、さすがに「何だこりゃ」って衝撃がありますよね…Σ(゚д゚lll)
スリラーやサスペンス、ホラーの作風なんですけど、オチは違う方に行っちゃうんですよね。
その証しとして、ある人物が最後に登場して、シャマラン監督の他の作品とリンクしていき、続編に期待させる終わり方です。
私はこんなふうに書かせていただきましたが、私の信頼する映画ブロガーである映★画太郎さんが、かなり厳しめにレビューされてます。
映画を観られた方は是非、読まれることをオススメ致します。
読ませていただいて私も作品をさらに理解できました。
もちろん映★画太郎さんの方がずっと緻密に観ておられたから、逆に言えば私はそこまで到達できてません。
だから記事を書く時、映★画太郎さんの真似をしないように気をつけましたよ~(^。^;)
映★画太郎さん、リブログさせていただきました。
いつも、ありがとうございます…☆⌒(*^-゜)v
面白いのは映★画太郎さんは大きな音に驚かされるのが苦手だそうなんですが、私は爆音やなんかで驚かされるのが大好き。
人それぞれですなあ。
それで…私はここずっと考えてたんですが、心の病を映画で扱う場合、はたしてその方法が正しいのかという思いがあります。
面白けりゃそれでいい、ではないと思います。
現実に解離性同一症に苦しまれている方々がこの映画を観たらどう感じられるのかはとても大事ではないでしょうか。
最近、心の病を扱った映画作品が偶然ですが続いたため、考えさせられました。
ただ、『スプリット』について言えば、ケイシー・クックとケビン・ウェンデル・クラムは同じような境遇にある人物なんですね。
虐待を受けてきた身の上なのです。
ケビンはそれが原因で心を病んだ成り行きがあるようです。
ケイシーはずっと虐待を受けてきたゆえに、ある種の達観と、可能な限り危機を回避する方法を模索してきたようです。
私も少しずつ知りつつあるのですが、子ども時代の虐待、いじめ、疎隔、成功体験の有無は、その人の人生に非常に大きな影響があるようです。
虐待されたことも、いじめを受けたことも、疎隔されたこともなく、何らかの成功体験を得ていて、その後の人生が豊かなら問題ないのかもしれませんが、子ども時代の体験ゆえに人生が辛く、苦しく、不幸なら、やはり人は平等ではないのだし、そのことはもっと重く考慮しなければならないと思います。
私が犯罪に対して厳罰を期待する世論に対して不信感を感じるのは、そういった理由からです。
恵まれた人が恵まれていなかった人を、上から裁くのは醜悪ではないか、あまりにも不公正ではないか ―― と考えます。
21世紀の今日において何かあった時、心の病に苦しむ人々、不幸な境遇に生まれた人々に対して、思いやりに欠けた通り一遍の批判しか口にできないのであれば、未来的ではないし、あまりにも浅はかではないかと。
『スプリット』においてケイシーの境遇には配慮やカバーがあり、物語の結末からも彼女が苦しみに打ち勝ってほしいという応援の視線を感じますが、ケビンについては恐ろしい存在に終始し、結果的あまりに怪物的な人物だと判明します。
ケビンの人格のうちの一つは映画の中でショッキングな罪を犯しますし、そのことが最終的な恐怖を演出していました。
ケビンはさらにケイシーにシンパシーし、ユニークな論理で彼女に自分たちこそ進化した存在だと告げる。
私はそれを「怖い」と思ったけど、後になって今、これを書きながら映画の創作上、それが正しかったのかどうか猜疑も感じます。
そんなことを言い出したら映画なんか作れない、とも思いますが、観た映画でそういった感想を持つのも仕方がないと思います。
シャマラン監督にはケビンのキャラクターを掘り下げて、過去に何かがあったのならそこも描いていただきたかった。
しかしそれをするとシャマラン監督の意図が壊れ、映画は怖くないものになってしまうだろう。
ただ、ケビンの隠されていた人格が、非常に非現実的なものなので、あくまでも創作された映画として人は観るのだと思うけど。
それでも偏見を煽る可能性は拭えない。
だってホントに人はそうなんだもの。
映画と現実をスプリットして考えられる人ばかりではない。
これについては私も一概に何が正しい、何が正しくないと決めつけられませんが、今の映画だからこそ、新しい問題意識を示してほしいとも思う。
結論は出ませんが、これからも考えていきたいと思います。
それから ―― この映画の最後で登場するブルース・ウィリス…深刻なご病気だと報道されて、もう映画で見れないのかなあ。
生涯現役って言葉もあるけど、俳優さんがリタイアするのは寂しいな。
ブルース・ウィリスはとても強そうな俳優さんなので、余計に寂しい。
―― さて、映画ファンならよくご存知のように、この『スプリット』の続編が2019年の『ミスター・ガラス』で、ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン、ジェームズ・マカヴォイ、アニャ・テイラー=ジョイが出演してます。
私はまだ観てませんが…近いうち、観ますね。
私が感じたいろいろな疑問が解消されるのだろうか。
ところで、シャマラン監督は自分の映画に急に出てくるお茶目さんですが ―― 『スプリット』では…また観る時、気をつけていてください(≧∇≦)
今日もおおきに、ありがとうさんです☆⌒(*^-゜)v
韓国語題:23 아이덴티티
中国語題:分裂
2017年製作/117分/G/アメリカ
日本公開:2017年5月12日
配給:東宝東和
監督・脚本・製作:M・ナイト・シャマラン
製作:マーク・ビエンストック ジェイソン・ブラム
製作総指揮:ケビン・フレイクス スティーブン・シュナイダー アシュウィン・ラジャン
撮影:マイケル・ジオラキス
美術:マラ・ルペール=シュループ
衣装:パコ・デルガド
音楽:ウェスト・ディラン・ソードソン
音楽監修:スーザン・ジェイコブス
キャスト (日本語吹替)
ケビン・ウェンデル・クラム - ジェームズ・マカヴォイ (内田夕夜)
ケイシー・クック - アニャ・テイラー=ジョイ (志田有彩)
カレン・フレッチャー - ベティ・バックリー (久保田民絵)
クレア・ブノワ - ヘイリー・ルー・リチャードソン ( あんどうさくら)
マルシア - ジェシカ・スーラ (大地葉)
5歳のケイシー - イジー・コッフィ
ジョン叔父さん - ブラッド・ウィリアム・ヘンケ
ケイシーの父 - セバスチャン・アーセラス
ジャイ - M・ナイト・シャマラン
デヴィッド・ダン - ブルース・ウィリス (磯部勉)