こんばんわ(´・_・`)ノ
いつも、ありがとうございます・・・
4月17日、この映画を観ました・・・
※ 念のため
この映画は実際の事件を扱った
恐ろしい映画です。
私の記事では、言葉に気を使って
刺激的になりすぎないよう、書いていますが
映画が映画だけに
不快に感じられる方もおられると思います。
読まれる時には、どうか、ご注意ください
事実だけを追っていても
真実にはたどり着かない
九龍猟奇殺人事件
九龍猟奇殺人事件
原題:踏血寻梅
英語題:Port of Call
韓国語題:기항지
(2015年、香港映画、98分)
監督・脚本:フィリップ・ユン
製作:ジュリア・チュー
撮影:クリストファー・ドイル
編集:フィリップ・ユン
【キャスト】
チョン刑事 - アーロン・クォック
ワン・ジェイメイ - ジェシー・リー
メイ - エイレン・チン
スモーキー刑事 - パトリック・タム
ティン - マイケル・ニン
ストーリー: 血まみれの殺害現場はあるものの、死体は見当たらない。犯人はすぐに自首し、死者の身元も16歳の援助交際をしていた女子高生ジェイメイで、死体は既にバラバラにして捨てたと自供。事件はすぐに解決したかに思われたがチョン刑事だけは、不審に思い事件を執拗に捜査し続ける。なぜ犯人ティンは、ジェイメイを殺害し解体したのか?ティンの供述から驚愕の事実が反映されていく…。
(Happinet Pictures - ハピネットピクチャーズ)
美少女が失踪したのは、彼女が殺され、遺体をばらばらにされたからだと判明し……。実話を下敷きにし、第35回香港電影金像獎の7部門で受賞したショッキングサスペンス。
2008年、実際に起きた猟奇殺人事件を下敷きにしたサスペンス。リアリズムを重視する一方、撮影は「恋する惑星」「ブエノスアイレス」などのウォン・カーウァイ監督作品で知られる名手クリストファー・ドイルが担当。ドキュメンタリー風になったり幻想的になったりする凝った映像、物語の時間軸を前後する編集など非常にアート性が高くて濃密だ。主人公の刑事役をアーロン・クォックが渋く好演し、被害者の少女役を新人のジェシー・リーが体当たりで熱演。監督は「ファイアー・レスキュー」などのフィリップ・ユン。WOWOWの放送が日本初公開。
もちろん、この映画、私は
アーロン・クォック(郭 富城)さんが出演してるから
観てみようと思ったんですが
実は、観る前から、そこまで面白い映画ではないかもしれない
と、思ってました。
それは、どなたかのレビューをチラッと目にしたかもしれないし
日本版DVDのジャケットからそう感じたのかもしれません。
そして、実際に観て、やはりそうだったと思いました。
この映画は、2008年に香港で発生した現実の事件をベースに
映画として作られた作品ですが
私はその事件について何も知りません。
何回かこのブログで書きましたが、かつて、ずっと前
10代の頃、私は実際の殺人事件についての本を
読むのが大好きで、夜な夜な読んだりしてたんですが
今となっては、そういった世界への興味を失いました。
むしろ、目にしたくない、耳にしたくないくらいになって
だから、テレビのニュースや新聞の報道なんかからも
あえて距離を置いてます。
で、『九龍猟奇殺人事件』を観終えて、思うんですが
少なくともこの映画を観る上では、その現実の事件について
知っていなくてもいいんじゃないかと思いました。
映画を観る分には、知らなくっても大丈夫じゃないかと思います。
それが私の考えですね。
もちろん、事件について知った方が
より深く映画を理解できるのかもしれんませんが・・・。
香港、九龍。
あるアパートで大量の血痕が発見され、被害者が特定される。
モデルになることを夢見ていた高校生の女の子、ジェイメイ。
ジェイメイは湖南省から香港に引っ越してきた少女で
学校には上手く馴染めずにいた。
家族は夜の仕事のせいでジェイメイをかまってやれない母親
体の具合が良くない母の再婚相手の義父、そして姉。
家族は貧しい暮らしだった。
ジェイメイが殺害されたと思われるアパートの部屋の住人の若者
ティンが早い段階で自首する。
彼もまた不幸な生い立ちで、自分の容貌に劣等感を感じていた。
事件を担当するチョン刑事は被害者、加害者双方の
それまでの人生について疑問を感じ
上司の反対を押しきって、事件の真相にたどり着こうとする。
実際の事件の映画化とゆうことで
たとえば、『殺人の追憶』(2003年)とか
そういった「実録系サスペンス」みたいな映画を
想像しがちですが・・・ん~・・・(-.-;)
やっぱり違うと思うんですわ。
「ショッキングサスペンス」とのことなんですが
必要以上にショッキングではないし
予想以上にサスペンスでもなかったように思います。
ハラハラドキドキって感じじゃないですね。
『九龍猟奇殺人事件』とゆう禍々しいタイトルの
特に「猟奇」の部分に反応されて
そうゆう系のえげつないショッキングとサスペンスを
期待される向きには、肩透かしかもしれないし
それ系の代表作とは違う趣だと思いますね、私は・・・。
事件の捜査よりも、その過程で明るみになっていく
少女のそれまでの人生・・・といっても、それはまだまだ
短いものだったのですが、その実情が一番
哀しかったし、気の滅入るものだったように私には感じられました。
とても、シリアスな映画だと思います。
気をてらったような面白さを捨てて、より深い何かを
私たち、観客に伝えようとしているような・・・。
私の年齢になると、ジェイメイには、何とかして
踏みとどまって、違うコースで生きてみたり
考え方を変えてみてほしかったところですが・・・
映画を観た限りでは、どうしようもなかったのかなあ・・・
どん詰まりまで行ってしまって、行き止まりだと
思ってしまったのかなあ・・・とも思えます。
努力すれば、頑張ってさえいれば
幸せな未来が自ずと開ける・・・と、そう子どもたちに教える
そんな社会ですが、十代半ばの少女たち、少年たちが
すでに、深い絶望の中に身を沈めて、そこから抜け出せないと
思わせてしまう、そんな重すぎる重圧が日常なのかなあ
と、この映画を観ていて、実感させられました。
私なんか、恵まれてたから、そこまで行ってないだけで
後半、事件の真相が浮かび上がった時
アーロン・クォック演じるチョン刑事が哀しみにとらわれて
急に嗚咽する気持ちに、強く共鳴させられました。
しかし、事件の加害者であるティンにかんしては
私はやっぱりそこまで理解できなかったですよ。
後半、ティンのその口から犯行の細部が一部始終
語られますけど、当然、ひどく気分が悪くなってしまった。
この場面では「再現」として、遺体の損壊のシーンがあるけど
それはひどく生々しく、残酷で、不愉快きわまりないものです。
タイトルの「猟奇」がこの映画に存在するのなら
この場面でしょう。
本当に恐ろしい場面です。
犯行に至ったその動機は・・・
それは加害者、被害者、両方に、同時に存在したのですが・・・
まさしく、この映画の中心とゆうか
それがこの映画の主張なんでしょうけど
哀しすぎるけど、その絶望が一番、切実に感覚されるんですよね。
ハッキリ言って、ものすごいですよ。
ショックでした。
でも、そのあとのティンがやったことは
なかなか理解できませんし、共感もできません。
元の事件が、そういった遺体を損壊した事件だったので
加害者の心境を映画の中で描いたのだと思いますが・・・
難しいですね・・・多くの観客の理解を超えてますよね、きっと。
いや、映画としての語り口が複雑なので
そりゃもう、難しくって、私もいろいろ
頭の中で、起こった時間通りに並べ変えて、大変でしたが
不思議と、この映画のそれは、私に合ってたようです。
こういった、時間をバラして並び替えたような語り口・・・
フランス映画とかで、観て、その時、感心して
好きだったような気がします。
ホントは時間通りに観て行った方が楽だし
面白いのかもしれないけど、この映画のこのあり方は
これが一番なんじゃないかな、と私は思いました。
おじさん刑事を演じたアーロン・クォックは・・・
最初、あんまり合ってないなあ、って思ってたんですよね。
これなら、もっと、サイモン・ヤムさんとか
実際、年相応にもっと似合った俳優さんが香港にも大勢
おられると思いますので・・・。
でも、最後まで観て、しばらくしたら
この役はアーロン・クォックさんで素晴らしかったなぁ、と
そう思えてきました。
一見、やる気なさそうな、妻と離婚し、幼い娘とは時々会う
そんなしょぼくれた中年刑事ですけど
チョン刑事だからこそ、ここまで真相に迫れたのかなあ
と思います。
いや、完全にゴールまで行けたとも思えないんだけど・・・
でも、チョン刑事は、誠実だったし、刑事としての仕事を
やり遂げようとしてましたよね・・・。
この映画のチョン刑事は
いかにかっこよく、手際よく、颯爽と事件を解決したか、でわなく
(まず、犯人が自首してますし)
いかに、被害者に、加害者に、その気持ちに、その心境に
寄り添えるか、ってことなんですよね。
それが監督さんのやりたかったことでしょ。
だから普通の離婚歴ありのおじさんが
少女や少年の心の闇、哀しみ、閉塞感、絶望感に
迫っていくって、サスペンスなんですよ。
アーロン・クォックは、そのおじさんの役でした。
それと・・・
彼ののんきな部下、ヘビースモーカーの刑事も、いい感じで
この映画の中の数少ないユーモラスな場面、息抜きを
作ってましたね。
ほとんど主役であるワン・ジェイメイを演じたジェシー・リーは・・・
女優さんとしての力量や表現力が素晴らしいのでしょうけど
だからこそ、見てられない、って気分になってしまった。
哀しかったし、せつなかったです。
なんか、最近、観てた香港映画、中国映画とは
ぜんぜん違う映画でしたね。
画がもう、違うとゆうか・・・映像が哀しかった。
犯人のティンを演じたマイケル・ニンがまた凄まじかったですね。
もう・・・ま、極上の演技ではあるんでしょ、これは、もう。
けど、そりゃどうしても好きには、なれない
ティンも哀しい怪物なんですよ、きっと。
あの、留置場ですか、独房ですか、の壁に
お母さんと、そしてお父さんの写真を飾りましたよね。
あのシーンを目にした時、やっぱり哀しかったです。
ハッキリとはわかりませんが、チョン刑事は
ジェイメイのお姉さん・・・シングルマザーになったお姉さんと
再婚したんでしょうか。
赤ちゃんを見るチョン刑事の目が優しかったですし
最後のあの場面には優しい暖かさがあった。
これまでに観てきた、幾つかの殺人事件の映画にも
優しい場面があったように思います。
殺人事件が起こる世界であっても、それ以外の時間には
人々の幸せがあるってことでしょうかね。
だとすればなおさら
若いジェイメイがあの心境に陥ったことが悲痛だし
観客である私ですら、未練を感じます。
この映画は、ハッキリ言って、面白いとは思わなかったし
今の時点では、私の好きな映画でもなかった。
でも、観たあとでひどく気持ちが沈んだし
この映画によって、世界を哀しく理解したように思います。
その気持ちにさせてくれたことには、なんか、感謝もしますし
観て良かったと思います。
毎日、毎晩、そんな気分になるわけにはいかないけど
時には、こういった映画を観て、違う真実を知っていたいですね。
オススメはしませんが・・・
こうゆう映画もあるって知っていただければ・・・
でわ、気を取り直して
今夜も最後まで読んでくださり唔該です
またです・・・拜拜・・・(^.^/)))
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