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2022年が皆さまにとって素敵な年でありますように・・・
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今年、2022年、最初の記事なんですけど、えらく物騒な日本映画から始めねばなりません(^_^;)
去年の12月22日、この作品を観ました・・・
日本暴力列島 京阪神殺しの軍団
この作品も『仁義なき戦い』シリーズ(1973~1974年)をオススメしてもらったさんせんさんからの推薦で、小林旭さんの主演したヤクザ映画です。
それで、『仁義なき戦い』シリーズとキャストが重なること、1975年5月に公開されていることから、1970年代に作られた『仁義なき戦い』シリーズの作品を観終わった時点で、続けて観てみようと思ったんですね。
また作品の概要を知って是非、観たいと考えた作品です。
冷酷・狂暴・残虐・・・・・・人は、彼らを“殺戮者集団”と呼んだ
【解説】 全国制覇をめざして激突する二大暴力組織。その尖兵となって血みどろの戦いに挑んだ狼たち。社会の狂暴な底辺で、うごめき、のたうつ彼らの凄絶な生き様を実録タッチで描き出す暴力巨編!小林旭、梅宮辰夫の二大スターを得て、ベテラン・山下耕作監督が強烈な暴力描写のなかにも、ドラマ性を存分に織り込みながら描く衝撃の社会派アクション。名もなき野獣たちの牙が野望に燃える時、日本列島暴力地図はみるみる鮮血に染まってゆく――。
(東映ビデオオフィシャルサイト)
『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』は、柳川 次郎(やながわ じろう)とゆう実在の人物と、彼が率いた組織をモデルとして作られた映画なんですね。
柳川次郎氏は韓国出身で、極道として活動した後、引退し、また様々な活動を行った人物だそうです(1991年 死去)。
ただ、その方をモデルとしてるけど、やはり映画なのでかなり創作された部分もあるとのこと。
特に後半は完全にフィクションだそうです。
私の感想を書きますね。
※ 結末に触れていますのでご注意ください。
観ている途中で私はブログに映画の感想を書くことを前提に、「これは書くのが難しいことになったなあ」と思いましたね。
主人公の花木勇(小林旭さん)、金光幸司(梅宮辰夫さん)たちが
日本の伝統的なヤクザ社会の中で生きる韓国・朝鮮人である映画です。
民族の葛藤が映画のテーマでもあるんでしょうけど、私にはそこまでそれが前面に出てないように思えたし、重要に感じられなかったんですね。
幾つかの場面を別にすれば、主人公たちが韓国・朝鮮人でなくても成立するように私には思えました。
もちろん、それは私が映画から汲み取れなかったのもあるかもしれません。
まず私は日本のヤクザ社会で活躍した韓国・朝鮮系の人たちの物語を期待して観てるんですけど、意外とそのあたり、期待以上のインパクトを感じませんでした。
もっと心をガツンとやられたり、打ちのめされるかもしれないと考えてたんですが。
「人がなぜヤクザになるのか」の理由の一つに民族差別があるのなら、その真実を描いてほしかったと思いましたが、そこまではその人個人の心境に劇映画も寄り添えないのかもしれない。
真剣な取材も必要でしょうしね。
ちなみに映画は朝鮮戦争=韓国戦争(1950年~)勃発の頃から始まるんですけど、主人公たちの出身が北側なのか南側なのかについてセリフで語られる場面はなかったです。
そういったことが当時、重要だったのかどうかも私は知りませんし、現在もそれが大事なことなのかもわかりません。
私としてはその上で映画として、感想を書くのに慎重になる作品だと、観ていて強く感じましたね。
ズバリ、主人公たちの活躍をかっこいいと私は思ったんですけど、それを書いたらどう読まれるかと考えましたよ。
例えば、日本人のヤクザがアメリカへ行って、アメリカの犯罪組織と戦いを始めたら、私はかっこいいと思うかもしれないじゃないですか。
日本の極道さんもホンマにようやる、アメリカさんをやっつけなはれと思うかもしれない。
しかし同時に、アメリカで暮らし、アメリカの社会に馴染んでいる日系アメリカ人の方々にとってはどうなのかってことにも気を配るべきだと思うんですよね。
誇らしいと思う人もいるかもしれないけど、また、苦々しいことかもしれないし、辛いことになるのかもしれないし、居心地を悪くするものかもしれない。
だったら「かっこいい」ばかりでは浅いし無責任。
そうなると同様に、韓国・朝鮮系のヤクザさんたちが暴れる映画も、日本で静かに分別を持って暮らしている韓国・朝鮮系の一般の方々にとって、どう捉えられるかは慎重に考えねばならないでしょう。
ただでさえ日本は嘘やデマを使って差別の意識を強めたい人が少なくない国かもしれないし、実際、特に韓国・朝鮮系の方々への差別は、犯罪と考えてもいいものが非常に悪い形で際立っていると思います。
とても悲しく腹立たしい世相ですが、いまだに日本はそうであり、また日本国内でのことなのにそういったことを見て見ぬふりして自分では正そうともしない日本人ばかりではありませんか。
そういった日本の世の中で、韓国・朝鮮系のヤクザが暴れまくる映画について書くことは、読む人によっては差別のきっかけともなりかねない ―― 私はそう思い、これは感想を書くのが難しい映画だと考えました。
映画では主人公たちが日本の社会で差別されたがゆえにヤクザ社会に入っていったっちゅうような場面はなく、最終的に、彼らはもともと、どの世界からも受け入れられていなかった、と結論されるのです。
現実の柳川次郎氏や、その周囲の方々の言葉として、当時の差別や、それがご自分たちの人生に与えた影響などの談話といったものがないので、映画でも描かれないのかもしれないけど、真実はどうだったのだろうか。
(最初の方で怪我をした金光幸司が輸血を拒む場面ですが)〝自分は日本で生きていても日本人には染まらない、民族のプライドは守り続ける〟といった意味のセリフがあり、また韓国・朝鮮の人たちで構成されたグループであるがゆえに、逆に日本人のメンバーが疎外感を感じるといった流れもあり、そのあたりに監督、脚本家の方々の思いが表現されていたように思います。
しかし映画自体は、日本人が観ていて困惑する、気まずい映画ではないと思います。
そのため、ただの映画鑑賞の結果、浅はかに「やっぱり朝鮮人は怖い」といったような気持ちを抱き、その後、それが日本で暮らす韓国・朝鮮の方々について語る時の前提となるような人もいるかもしれない。
その想像が私の気を滅入らせました。
「そこは、社会の凶暴な底辺!」ってこの映画のキャッチフレーズには、虐げられた韓国・朝鮮人の凶暴を連想させる意図があったのではないかな。
それが高じて日本の暴力事件の背景なども適当に想像して差別につなげるのが卑怯。
私には上手く説明できないけど、民族の気性や性格などを、総合的にこうだと決めつけて話すの書くのって杜撰で馬鹿げてますよね。
日本人だってホンマ、いろいろいますしね。
それでも、そんなふうにその民族限定で「どんな人だ」って語る人は多いから、それも差別に導くんですかと私は考えるんですけど、日本人、そうまで何ごとも他人ごとで薄っぺらなのかと思うと、この島国も世界から取り残されるんじゃないかと憂いてしまいます。
こんなこと、私が書くのも余計なことですけどね、日本人が日本人としての誇りを維持したいのならば、多民族に対しても同様かそれ以上の敬意を払わねばならい ―― それが当然で摂理だってことですよ。
映画では描かれなかった民族差別の実態を知りたければ、ウェブを検索して調べてみるといいでしょう(Yahoo!ニュースのコメント欄など)。
もちろんそれは民族・国籍に関わらず誰にといっても不快なものですが。
こうして字数を使って書いてるけど、それが私の感想の大前提です。
頑張って書いてるんだけど、まだまだだと思います。
それでも映画を観る上で、また普段からも当然としての認識ではないかと思いますの書かずにはおられませんでした。
逆に他国で生きる日本人たちの映画についても語らねば、一面的であるわけです。
これまでのところ、私はそういった映画について書いていませんし、何よりも私自身がそういった経験を経てないので、確かに私自身もまだまだ偏狭ですね。
そのへん、そう指摘していただければ、反省もあるかもしれません。
しかし、私は日本人で、日本に住んでいるんだから。
まず、国内について今は考え始めている途中です。
で、映画の感想ですが、物語としては、私は『仁義なき戦い』シリーズと重なるところもあったように感じました。
小さな組織がより大きな組織からご褒美をチラつかされて、よそさんの組織を攻撃しまくるって感じで、当初、それは成功を目指す発展的な活動なはずなんですが、そうはいかずいろいろと悲愴なイメージです。
花木勇(小林旭さん)と金光幸司(梅宮辰夫さん)が出会っていく流れも好きでした。
そういった出会いって好きだなあ。
ただ3時間の映画でも良かったほどなのに93分しかないので、もうちょっと説明してほしいところもありました。
それは逆にエンタメとして興奮の勢いも生み出しているのですけど。
『仁義なき~』よりも殺しやアクションが多かったですし、その分、組織の関係の複雑さは薄まってましたかね。
観てて一番、困惑したのは花木が、使おうと思った傘が石沢ケイコさんって美女の傘で、そこから二人の関係が生まれるんですけど、ネタバレですけど、花木が襲撃された時、ケイコさんにも弾が当たってしまうんですよね。
私はどうなったのかと思いましたけど、その後、詳しく描かれずケイコさんは亡くなってしまったようです。
えらくあっさりした感じで残念でしたよ。
ケイコさんは花木が韓国・朝鮮人だと知っていたのだろうか。
そういったことも物語として広がったと思いますが。
ケイコさんは花木と知り合ったことで悲惨な目に遭ったのですが、それでも花木のことを好きだったので・・・。
私は小泉洋子さん演じるケイコさんが印象的でした。
大きな組織から松原哲男って男が手伝いに来るんですけど、演じられてるのは成田三樹夫さん、ミッキーさん。
イヤ~な目つきで花木たちをうかがってるんですけど、ミッキーさんはいつもいいんですよね~。
逆に金子信雄さん、ネコさんは出演時間が少しで残念でした。
『仁義なき~』とはぜんぜん違うネコさんなのですが。
『仁義なき~』シリーズで知った俳優さんも多いのですが、いかんせん、まだまだお顔とお名前が一致せず
そして主役の小林旭さんですが、私が好きになった理由はやっぱり声と台詞回しなんだと思います。
歌手なこともあるんでしょうけど、凄くセリフが聴き取りやすく、また表現力豊か。
本当は役作り的にどこか訛っていた方がリアルなんでしょうけど。
組織のリーダーとしての花木の心境も注目でした。
梅宮辰夫さんは基本、常に苦手なんですけど(^_^;)
いやいや、ですけど、なんか、花木と対で陽気、且つ、直情的な金光、魅力的でした。
最後に金光が向かう場所など、その景色や撮り方などに意外性とゆうか強い印象があり、とても気に入りました。
ケイコさんに弾が当たった時、花木の指示で敵を追いかけて大勢によって返り討ちになる組員の方の死に方、怖かったなあ。
あの時、「オヤジー、オヤジー」と叫ぶ声が聞こえますが、あの声は花木の子分の声ですか
聞こえるはずもないのに助けを呼ぶのが悲しいなあ・・・。
音楽は『仁義なき~』とぜんぜん違いますね。
和風ウェスタン調
あと、なんかソウルとか、そっち系の味もあったような・・・。
とにかく私はもしかしたら『仁義なき~』より好きかもしれない・・・♪
この映画、専門家の東映バカさんも短くレビューされてますが、さすがは的確。
「全国制覇の斬り込み隊」柳川組がモデル。東映京都「日本暴力列島・京阪神殺しの軍団」旭兄ぃ。
是非、お読みになることをオススメ致します。
東映バカさん、いつもありがとうございます☆⌒(*^-゜)v
やはり東映実録バイオレンスのヤクザ映画、そりゃもう犯罪ですし、社会への迷惑も多大でしょうけど、映画を観てる間は批判する気にはなれなかったなあ。
特にこの『京阪神殺しの軍団』はいろいろ考えてしまいました。
実のところ、結末はどこか途中で終わった気もしたんですが(映画としては天誠会に対して攻撃を仕掛け、これに勝利するまでを期待してしまうので)、シリーズ化の構想もあったようです。
『日本暴力列島』シリーズとしてですか。
そう考えるともったいないけど、『京阪神殺しの軍団』は完結もしてますし、『仁義なき~』が最初の一作で完結した感じかな。
今となってはこの一作でも価値があるのではないかな。
面白いことに私の深層意識がそうさせたのか、今年、私が最初に観た映画は北野武監督の『BROTHER』(2000年)。
『BROTHER』は日本人のヤクザがアメリカへ行って、アメリカの犯罪組織と抗争を繰り広げる映画。
キタノ映画を観たくなり、再度、観た映画でしたが、私もヤクザ映画に惹かれているようです。
また少しずつ観ていきますよ。
そういった感じで面白い映画を自分なりにいろいろ考えつつ書かせていただきますので、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
.。*゚+.*.。(賀^-^正)゚+..。*゚+
日本暴力列島 京阪神殺しの軍団
Nihon bôryôku rettô: Keihanshin koroshi no gundan
1975年製作/93分/日本
劇場公開日:1975年5月24日
配給:東映
スタッフ・キャスト
監督
山下耕作
脚本
松本功 野波静雄
企画
日下部五朗 今川行雄
撮影
山岸長樹
美術
富田治郎
音楽
八木正生
録音
中山茂二
照明
増田悦章
編集
市田勇
助監督
俵坂昭康
スチール
諸角義雄
小林旭 - 花木勇
梅宮辰夫 - 金光幸司
伊吹吾郎 - 西田恭三
根岸一正 - 照井明
西田良 - 谷良一
小泉洋子 - 石沢ケイコ
中島ゆたか - 有田順子
衣麻遼子 - 上村昌代
遠藤太津朗 - 大槻正道
鈴木康弘 - 大門隆志
木谷邦臣 - 北元治
金子信雄 - 国友利三郎
安部徹 - 風間栄造
今井健二 - 畠山克敏
高並功 - 村木登
小松方正 - 仁田勝己
沢美鶴 - 佐々卓郎
室田日出男 - 庄司鶴吉
阿波地大輔 - 関口一夫
野口貴史 - 林安雄
北村英三 - 三田栄
大木晤郎 - 船田忠
天津敏 - 中本初太郎
秋山勝俊 - 山村鉄和
名和宏 - 相良八郎
志賀勝 - 田中勝次
三上真一郎 - 中井刑事
汐路章 - 李
小林千枝 - ミッチー
成田三樹夫 - 松原哲男
(映画.com)