トム・ヤム・クン!
解説 密輸組織に誘拐された愛する象を取り戻すため、単身オーストラリアに乗り込んだムエタイ青年の活躍を描く興奮のアクションドラマ。CG、ワイヤー、スタントなしの生身のアクションが話題を呼んだ「マッハ!」のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督と主演のトニー・ジャーが、再びコンビを組んだ。 (映画.com)
サワッディーです(^-^)ノ
いつも、おおきに、ありがとうさんです…
今日、書かせてもらうのは久しぶりですが、韓国映画ではない作品で、しかもアクション映画です。
10月18日でしたが『トム・ヤム・クン!』を観ました…
プラッチャヤー・ピンゲーオ監督、トニー・ジャー主演、2004年のタイ映画ですね。
まず、私のアクション映画の先生である明石家いわし師父のこの映画のレビューをリブログさせていただきますね。
この映画を理解するには、やはりいわしさんのような専門的な視点が必要ですが、私にはもちろんそこまで書くのは無理です
正直に告白しますが、アクション映画について深く書くのって難しいことですよヾ(´▽`;)ゝ
知識が必要ですからね。
ですので私も観たあとでちゃんといわしさんのレビューを読んで理解したんですよね。
詳しく知りたいなら、いわしさんのレビューを読まれることをオススメします…
我々の先祖は〝チャトゥラバート〟
国王の象を守る最強の戦士だよ
象は大きくて強いのに、どうして誰かが守らなきゃならないの?
象の上には王様が座るからだよ
象の弱点を補って守るんだ
戦ったってこと?
そうだよ
兵士は剣がなくとも素手で戦ったんだ
投げたり、突いたり、掴んだり、蹴ったり
象の弱点って?
それはまた今度
父ちゃん、僕もチャトゥラバートになるんだ
だから教えてよ
まだ早いよ、カーム、そのうちわかるって
―― 物語そのものは難しいものではないのですが、タイの映画ということで演出、描写などで驚かされる場面もあるかもしれませんね。
私は何度か、疑問に感じる場面もありました。
もちろんハリウッド映画や日本の映画、韓国映画とはまた違いますが、強いて言えば香港映画に近いんじゃないかと私は感じました。
それから私は最近観たこともあって『RRR』(2022年)を観た時の気分も思い出しましたね。
満腹させてくれる「コッテリ感」が近いかもしれない。
『トム・ヤム・クン!』は110分の映画ですが、内容が濃いと思うんですよ。
多くはアクション・シーンですが、ストーリーにも驚きがあり、また残酷に感じる場面があって、娯楽作というにはちょっと陰惨なところもあるかもしれないですね。
私にとってはちょっと「気楽に観れる映画」とはまた違うかなあと感じました。
アクションも痛々しいし、「うぅ」となる場面があったので。
かなり暴力的な作品じゃないですか。
王が乗る象を育て守る〝チャトゥラバート〟の家系の青年カーム。
皇族に献上するために大事に育てた象ポーヤイとその息子の子象コーンを連れ父のコイさんと共に賑わう市に行ったんですが、象を献上する段取りをしてくれるドラ息子議員が悪徳密猟業者とつながってて、父親のコイさんは銃で撃たれるわ、ボーヤイのみならずコーンまで奪われてしまう最悪の事態。
ボーヤイは我が子コーンを救おうと暴れてしまいますし。
なんで子象のコーンまで市に連れて行ったのかと思いますが、とにかく象が人ごみの中で暴れまくる絵ヅラが凄すぎる
タイではことのほか象さんたちを大切にするお国柄だそうですが、怒った象さんが暴れまくるとほとんど怪獣映画。
いい象だとわかってても怖いもんですね。
やっつけるわけにいかないし
そういったわけで象の父子はオーストラリアに連れて行かれ、カームは象を取り返しに向かうという物語です。
『マッハ!』(2004年)は青年が村の大切な仏像「オンバク」を取り返しに街で奮闘する物語でしたけど、今度は象さん奪還物語。
やはり初めての街で一心不乱に目的を達成しようとするトニー・ジャーさんだった。
物語はシンプルなんですが、いろいろあって、またアクションも山盛り…うわ~って感じの映画です。
心清らかで純粋な青年がいちずに異国の地で必死になる姿は感動ですし、またカームが強い
なまじっかの敵だと絶対に負けないんですがいかんせん敵がまた多い
やっつけたと思ったら新しい敵、倒したと思ったらもっと凄い敵といった感じで暴力がエスカレートしていきますが、アクション映画としては非常に正しい。
敵がまただいぶイキってますな~。
アクション担当のキャストは「できる人」ばっかりなのでトニー・ジャーさんも大変ですが、逆に「できる人」同士だからこそこういう本格派の格闘アクションが完成するんでしょうね。
その点では世界の映画界が凌ぎを削ってるんですが、タイと香港は頭一つ抜けてる感じ。
あとシラットのインドネシア映画も凄かったんですけどね。
もちろん韓国も頑張ってくれてます。
『トム・ヤム・クン!』は「ワイヤーを使わない、CGを使わない、スタントを使わない、早回しを使わない」という触れ込み通りで、また編集で作るよりも長回しで撮るのがほとんどなので直に戦いを見ている迫力がテレビ画面でも伝わりまくりますね。
この映画、スクリーンで観たらホント凄かったはず。
物語が陰惨になりすぎないため、またエンタメ度を上げるためでしょうけど、オーストラリアではペットターイ・ウォンカムラオさん演じるマーク巡査が出てくると笑える場面が増えます。
このマーク巡査が明らかにいい加減なアホかと思いきや、警官としては意外と優秀だと思うんですが、逮捕した強盗犯が知ってる青年だったりすると更生を期待して逃がしてやるのもちょっとかっこいい。
案の定、戦いはそこまで強くないけど孤立無援のオーストラリアで奮闘するカームの良き相棒になるのだった。
実は諸悪の根源のラスボスは中国系の犯罪組織で、またこの組織がゲテモノ・レストランからヤクの売買まで手広くやってましてね…お金になるならなんぼでも悪いことをしくさる。
映画ではその組織内部の権力闘争も描かれていて中国マフィア映画の様相も呈しているのですが、その跡目争いに勝ってトップになったのが金星さん演じるマダム・ローズ…演じた金星さん同様、トランスジェンダーなんですね。
悪役でありながらおきれいですが、自ら鞭をお振るいあそばし、カームを苦しめます。
で、映画で悪食レストランのえぐい実態が描かれますと、私なんかは「うぅ」とビビってしまうのですが、私も別に菜食主義ではないけど、さすがにアレはね~
世の中にはそんな人もいるのだろうか…
悪の組織の店で娼婦として働く女性をボンコット・コンマライさんが演じていて、この女性が殺人現場を目撃したりして、またカームに協力する流れもありますね。
若干、こんな映画にも無理やりセクシーを足したかった狙いも見えますが、女性たちと一緒にお風呂につかり「げへへへへ」などといい気になってるおじさんのお腹がホントだらしなくって困る。
悪の組織は凄腕を大勢雇っていて、やっつけてもやっつけても出てきます。
中でもやっぱりネイサン・ジョーンズさんが演じている大男はいったいカーム、この巨大なヤツをどうやって倒すのかと興奮ですな。
また増えるんですよね、大男が
ネイサン・ジョーンズさん、『ジャイアント・チリペッパー』(2008年)では気の弱い大男で唐辛子を食べると狂うという楽しい役でしたが、トニー・ジャーと向き合うとホンマでかい。
アクションについてはやっぱりいわしさんのご解説を読んでいただきたいところです。
私は全体的に、後半に行くに従い、痛みと残酷が増してきたように感じてけっこう怖かったんですよ。
カームの攻撃が相手の手足を折っていくものなので痛々しいのです
感じやすい子どもさんたちは観るのにご注意が必要です。
う~ん…高校生くらいからかなあ~、この映画は…。
小学生だときっついかもですね。
また、象さんの演技も特筆すべきで、子象のコーンの活躍には涙です゚(゚´Д`゚)゚
結末は一応スッキリですが、でも一抹の寂しさも残る作品でした。
結局は人の欲に苦しめられた象たちが悲壮でしたね…。
だからこそカームの死闘は気高いのですが。
この作品、2013年には続編が公開され、日本では「マッハ!無限大』のタイトルですね。
またいつか観たいし、トニー・ジャー主演のタイ映画ももっと観たいところです。
アクション映画なので私が書いておきたいところはこういったところです。
アクション映画好きさんはもう観てられるでしょうけど、観てない方はまた是非。
でも、気持ちの優しい方にはきつい映画だと思いますよ。
「痛い」し、「残酷」だし、人も死ぬので…。
でも、アクション映画としては傑作です。
今日もありがとうさんでした、サワッディー(^.^/)))
トム・ヤム・クン!
原題:ต้มยำกุ้ง Tom-Yum-Goong
中国語題:冬蔭功
英語題:Honour of the Dragon
韓国語題:옹박 : 두번째 미션
2005年製作/110分/タイ
日本公開:2006年4月22日
配給:ギャガ・コミュニケーションズ=クロックワークス
監督・原案 プラッチャヤー・ピンゲーオ
アクション監督 パンナー・リットグライ トニー・ジャー
脚本 ナパリー・ピヤロートトーンディー ジョー・ワンナヒン コンデート・ジャトゥランラッサミー
製作総指揮 ソムサック・デーチャラタナプラスート
プロデューサー プラッチャヤー・ピンゲーオ スカンヤー・ウォンサターバット
撮影 ナタウット・キッティクン
プロダクション・デザイン アッカデート・ゲーオコート
編集 マルッ・シラチャルン
衣装デザイン エーカプン・ンガーンチャマン
字幕翻訳 風間綾平
カーム - トニー・ジャー (浪川大輔)
マーク巡査 - ペットターイ・ウォンカムラオ (Petchtai Wongkamlao)(後藤哲夫)
プラ - ボンコット・コンマライ(Bongkoj Khongmalai) (村井かずさ)
マダム・ローズ - 金星(チン・シン、Jin Xing) (塩田朋子)
ジョニー - ジョニー・グエン(Johnny Nguyen) (川田紳司)
TK - ネイサン・ジョーンズ (平勝伊)
ビンセント - ダミアン・デ・モンテマス(Damian De Montemas) (志村知幸)
カポエイラの使い手 - ラティフ・クロウダー(Lateef Crowder)
剣術の使い手 - ジョナサン・パトリック=フー(Jonathan Patrick Foo, Jon Foo)
Goong - アモンパン・コントラカン
Officer Rick - デイヴィッド・チャッチャワン・アッサワノン
カームの父親 - ソートーン・ルンルアン
9歳のカーム - ナッダイ・コーン
サムバット
ヨーヨー&シン
Cast
Tony Jaa as Kham,
Nutdanai Kong as a young Kham
Sotorn Rungruaeng as Kham's father
Petchtai Wongkamlao as Sergeant Mark
Bongkoj Khongmalai as Pla, a call girl.
Xing Jin as Madame Rose, a transsexual member of a Chinese gang in Sydney.
Damian De Montemas as Inspector Vincent.
David Asavanond as Rick, Sergeant Mark's partner.
Nathan Jones (credited as Nathan B. Jones) as T.K., a giant wrestler.
Johnny Tri Nguyen as Johnny, a Vietnamese gangster and a subordinate of Madame Rose.
Lateef Crowder as a capoeirista
Jon Foo (Jonathan Patrick Foo) as a wushu exponent.
Cameo appearances
Pumwaree Yodkamol as a Thai tourist in a Sydney street scene.
Wannakit Sirioput as Mark's new partner.
An impressionist portrays Jackie Chan, whom Kham briefly encounters at the airport in Sydney.
Another impressionist portrays Thai rocker Sek Loso, the pitchman for the M-150 energy drink.
Actors Don Ferguson, Erik Markus Schuetz, Lex de Groot (uncredited) and Damian Mavis (uncredited) appear as bodyguards.
Strongmans Heinz Ollesch, Phil Pfister, and Rene Minkwitz appear as wrestlers.